今回は、LINE6のオーディオインタフェースSonic Port VXのレビューです。
Sonic Port VXはiOSに対応したオーディオインタフェースです。
つまり、Sonic Port VXを使えば「エレキギターとiPhoneやiPadを接続してシミュレータ系のアプリを使える」ようになります。
また、コンデンサマイクを内蔵しているためヴォーカルや弾き語りのレコーディングも可能です。
価格は16,000円程度。
家でギターを弾くのが楽しくなる一台です。iOSデバイスをギターのために活用してみたい方はぜひご覧ください。
追記
近年はPCとiOSデバイスの両方に対応する箱型のオーディオインターフェースが増えてきました。
これらはSONIC PORT VXのような特殊な形状の製品よりも総合的な使い勝手が良いと感じます。
SONIC PORT VXにもバスパワーや軽量というメリットはありますが、今となっては存在意義が薄れてきたのは否めません。
よって、今からであれば「Steinberg UR22C」や「Roland Rubix24」のような箱型でiOS対応の製品をおすすめします。
Sonic Port VXはiOS、Mac、Windowsにマルチ対応
Sonic Port VXは、iOSに対応したオーディオインタフェースなため、iPhone・iPad・iPodとギターを接続するのに使えます。
ギターアンプを持っていなくても、ギターの練習環境が整えられるわけです。
Sonic Port VXとiPad接続してギターのシミュレータソフトを使う詳しい方法は、下記の記事にまとめています。あわせてぜひご覧ください。
iPadとギターを接続してシミュレータアプリを使う方法音質や遅延は全く問題なし
Sonic Port VXを使って実際にiPadでギターを弾いてみたところ、音質・遅延(レイテンシー)ともに何の問題もありませんでした。
僕はPCでUSBオーディオインタフェースを使ってギターを弾くこともあり、その環境と比べても違いはありません。
比較対象となったUSBオーディオインタフェースはRolandのQUAD-CAPTURE UA-55です。
【Roland QUAD-CAPTURE UA-55レビュー】初心者でも安心の全部入りオーディオインタフェースMac、Windowsにも使える
Sonic Port VXはiOSだけでなく、MacやWindowsのPCにも使えます。
実際にWindows7のPCで使ってみた場合でも、音質・遅延には問題なく使えました。
PCに接続して使うには事前にドライバーのインストールが必要です。
LINE6 SONIC PORT VXのドライバをDLしてPCにインストールする方法
ただしSonic Port VXはPC用に設計されたオーディオインタフェースと比べると便利さの点では劣ります。
例えばSonic Port VXには入力と出力のボリューム調整機能がありません。
そのためPCとの接続をメインにしたい方は、通常のPC向けオーディオインターフェースの方が向いています。
僕が持っている製品でいうと例えばSteinberg UR22mkIIがそれにあたります。
【UR22mkIIレビュー】CUBASEが付属するオーディオインタフェースSonic Port VXの入力・出力
続いて、Sonic Port VXの入出力をチェックしていきます。
入力
入力は次の3系統です。
- ギター・ベース用インプット(1/4インチ)×1
- AUX入力(1/8インチ)×1
- コンデンサマイク(モノラル・ステレオ)
ギター・ベース用のジャックにはシールドがそのまま挿せます。
ステレオミニジャックのAUX入力には、キーボードやミキサーをつなげます。
コンデンサマイクを内蔵している点は、Sonic Port VXが他のオーディオインタフェースと決定的に違うところです。
マイクがあれば、次のようなレコーディングも可能です。
- ギターの弾き語りの録音
- ヴォーカルの録音
- ギターアンプからの空間録音
ライン録音だけの場合よりも、レコーディングの幅が広がります。
出力
次に、出力は次の2系統です。
- ヘッドホン・アウト(1/8インチ)×1
- スピーカー・アウト(1/4インチ)×2(ステレオ)
ヘッドホン・アウトがあるため、ここにヘッドホンを挿して静かに練習・レコーディングできます。
もちろんイヤホンも使えますが、個人的にはヘッドホンの方がリアルな音色が得られると思いました。
Sonic Port VXの付属品
Sonic Port VXの付属品は、次の4つです。
- Sonic Port VX本体
- USBケーブル(Type-A⇔Micro B)
- iOS用ケーブル(Lightning⇔独自仕様?)
- スタンド
iOS用のケーブルについて
iOSと接続するケーブルは、片方がLightning端子、もう片方が見慣れぬ形状になっています↓
スタンドはおまけ程度
Sonic Port VXには、組み立て式のスタンドが付属します↓
実際に使ってみたところ、おまけ程度に考えた方がいいと思いました。
スタンドはかなり軽いため、Sonic Port VXに接続したケーブルの重みがかかると簡単に傾いて危ないです。
一般にコンデンサマイクはデリケートな機械ですので、うっかり倒れてしまうと壊れるかもしれません。
そういうわけで、僕は付属のスタンドは使わずに、もともと持っていた別なスタンドを使っています↓
こちらは安定性バツグンで、安心して使えています。
本体をガッチリ支えたい方は、別途スタンドを用意するのいいでしょう。
僕が使っているのはManfrottoのPIXIというミニ・スタンドです。
Sonic Port(無印)との違いについて
今回ご紹介したSonic Port VXと同じLINE6から、Sonic Portという製品も販売されています。
(以下、Sonic Port無印とします)
Sonic Port無印はVXと比べて次の点が違います。
- コンデンサマイクがない
- スピーカーアウトが一つだけ
そのため、純粋にオーディオインタフェースとして使うだけなら無印でも十分です。
VXの値段がおよそ16000円に対して、無印は8500円です。
僕がSonic Port VXを買うとき無印とどちらにするか迷いました。
最終的に倍近い値段のVXを選んだのは、コンデンサマイクがあった方が色々遊べそうだったからです。
バンドルするアプリMOBILE PODは不要
LINE6のSonic Port(無印・VX)を買うと、MOBILE PODというアプリが無償で使えます。
これはiOS用のギターアンプシミュレータで、これがあるとiPhoneやiPadをアンプのように使えます。
しかし正直言ってMOBILE PODは使い物になりません。
他にも無料から使えるシミュレータアプリがApp Storeにあり、それらを差し置いてMOBILE PODを使う理由が何一つありません。
下の記事ではMOBILE PODのようなiOS用シミュレータアプリを比較しています。
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BIAS FX MOBILEについては下記の記事で詳しくレビューしています。
BIAS FX MOBILE(iOS版)レビュー【iPadやiPhoneを高音質ギターアンプに】Sonic Port VX レビューまとめ
以上、LINE6のオーディオインタフェースSonic Port VXのレビューでした。
まとめると、Sonic Port VXはiOS対応のオーディオインタフェースであり、これを使えばギターとiOSを接続できます。
上にも書いたとおり、純粋にインタフェースとして使うだけであればSonic Port無印で十分です。
接続だけでなくコンデンサマイクにも興味があればSonic Port VXの方をチェックしてみてください。
追記
記事の初めにも書いたとおり、近年では箱型のオーディオインターフェースでもiOS対応の製品が主流になってきました。
箱型の方が何かと使い勝手がいいため、今となってはSonic Port VXのような特殊な製品を使うメリットは薄いです。
これからiOS対応のオーディオインターフェースを買うのであれば、「Steinberg UR22C」や「Roland Rubix24」をおすすめします。
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