今回はオーディオインターフェース「Steinberg UR22C」のバスパワー駆動について。
先に結論をまとめると次のとおりです。
- UR22CはUSB2.0で問題なくバスパワー駆動できるケースもある
- ただしUSB2.0環境で使うことを前提として買うのはおすすめはしない
個人の検証であるものの、UR22Cのバスパワー駆動について知りたい方の参考になればと思います。
【2020】1台目のオーディオインターフェースおすすめ3機種Steinberg UR22Cのバスパワーについて
Steinberg UR22CをUR22mkIIなど以前の機種と比べたとき、USB3.0に対応しているのが大きな特徴です。
UR22CはUSB2.0でも使えるものの、バスパワー駆動はできず、モバイルバッテリーやACアダプターからの外部電源が必要という仕様になっています。
すると本体に接続するケーブルが1本増えて面倒なのがデメリットです。
ところが、実際にUSB2.0で使ってみたところUSB3.0と同じようにバスパワーで駆動し、音声の入出力についても動作は変わりませんでした。
具体的な検証内容は後半で紹介します。
ただしUSB2.0でもUSB3.0と同じように動作したのは、あくまで今回の検証の範囲内に過ぎません。
他の環境によってはUSB2.0だと仕様通りバスパワー駆動できない可能性はあります。
また、今回の検証では気づけなかった細かい動作の違いもあるかもしれません。
Steinberg UR22CはUSB2.0互換ではあるものの、基本的にはUSB3.0の仕様を前提としたオーディオインターフェースです。
よって、USB2.0で使うことを前提としてUR22Cを買うのはおすすめしません。
もしUSB2.0で使うことが決まっているなら、Roland Rubix24のようなUSB2.0仕様の製品を選ぶのが無難です。
【Roland Rubix24レビュー】ハードウェアコンプ搭載のオーディオインターフェースUSB2.0と3.0の違いについて
検証内容を紹介する前に、USB2.0と3.0の違いについて確認しましょう。
2.0と3.0の一番の違いは通信速度です。
3.0の方が1秒あたり多くのデータをやり取りできます。
2.0と3.0を見分ける方法は「マーク」と「端子の色」で区別できます。
USB2.0 | USB3.0 | |
マーク | SSなし | SSあり |
端子の色 | 白黒 | 青 |
USB3.0は「端子が青色」「SSマーク」が特徴です。
こちらはUSB3.0のジャック(穴)の例。
端子の中が青色で、「SS」とついたマークがあるのが分かるでしょう。
USB3.0のプラグも同様です。
一方、USB2.0は「端子が白黒」「SSマークなし」で区別できます。
バスパワー駆動の検証内容
ここからは今回検証したUSB2.0での動作について紹介します。
結論は既に書いたとおりなので、細かいことはどうでもいいという方は特に読む必要はありません。
この記事を書くにあたって、2台のPCでUR22Cを使ってみました。
- 自作デスクトップPC Win10 Home 64bit
- Let’s note ノートPC Win10 Pro 64bit
検証機1 . 自作デスクトップPC
まず1台目の自作デスクトップPCには本体にUSB2.0とUSB3.0両方のポートが備わっています。
結果として、どちらを使ってみた場合でも動作は同じでした。
検証前にドライバーはインストール済みです。
UR22Cのセットアップと使い方【ドライバーのインストールから入出力まで】電源が入ること
PCとUR22Cを付属のUSBケーブルで接続すると、ポートによらずバスパワーで電源が入りました。
「POWER SOURCE」は「USB 3.0」側にセット。
UR22Cは電源が入るとフロントパネルのLEDが2つ点灯します。
接続してすぐはUSBのLEDが点滅していますが、PCに正しく認識されると点灯します。
音声の入出力
当サイトはエレキギターの情報サイトということで、以下のソフトで音声の入出力を検証しました。
これらはエレキギターのアンプやエフェクトをシミュレートするソフトです。
USB2.0と3.0で動作を比べてみたところ、音質やレイテンシーなどに違いは全くありませんでした。
【BIAS FX 2 レビュー】初代からさらに進化した高音質ギタープラグイン 【AmpliTube4 レビュー】ブランド公認モデルが素晴らしいシミュレータソフト検証機2 . ノートPC Let’s note
2012年頃に購入したノートPCでも検証しました。
こちらのPCに備わっているUSB端子は全て2.0です。
そもそもUSB3.0の端子がないPCであるものの、動作は上のデスクトップの場合と同じでした。
UR22Cのバスパワー駆動について まとめ
以上、Steinberg UR22CのUSB2.0でのバスパワー駆動についての検証でした。
要点をまとめると次のとおりです。
- UR22CはUSB2.0で問題なくバスパワー駆動できるケースもある
- ただしUSB2.0環境で使うことを前提として買うのはおすすめはしない
仕様上はUSB2.0でバスパワー駆動はできないとされているものの、今回見たように実際にはできる場合もあるようです。
ただしこれは僕が検証した範囲内のことにすぎないため、あくまで個人の検証結果として参考にしてください。
お使いのPCにUSB3.0のポートがあるならUR22Cは問題なく使えるはずです。
しかし、お使いのPCにUSB2.0のポートしかついていないのであれば、UR22Cを買うのは避けた方がいいでしょう。
その場合はRoland Rubix24など、USB2.0を前提とした製品をおすすめします。
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