エレキギター用シミュレータソフトBIAS FXシリーズには次の3つのグレードがあります。
- Standard
- Professional
- Elite
このうちIRローダーが使えるのは上位2つのProfessionalとEliteだけです。
Standardでは内蔵のIRローダーは制限されていて使えません。
【BIASFX2 Professionalレビュー】追加エフェクト&IRローダーが便利しかし、外部のIRローダーを使えばStandardグレードでもIR(Impulse Response)を利用できます。
その方法をざっくり書くと次のとおりです。
- DAW上でBIAS FXをプラグインとして読み込む
- キャビネットシミュレータをバイパスする
- 別のIRローダーを後ろに読み込む
Standardグレードをお持ちでIRと組み合わせたい方はぜひお試しください。
※2020年1月現在BIAS FXは2が最新ですが、ここでは簡単にBIAS FXと書くこととします。
PC:Windows10 Home 64bit
BIAS FX 2:Standard Version 2.1.7.4820
DAW:CUBASE 10 AI Ver10.0.40
IRローダー:NadIR V2.0.2
【参考リンク】BIAS FX 2 | PositiveGrid
1.BIAS FXをプラグインとして読み込む
まずはDAW上でBIAS FXをプラグインとして読み込みましょう。
※プラグイン…DAWに読み込んで使う外部のソフトのこと
今回はDAWソフトの例としてCUBASE 10 AIを使います。
CUBASEの場合、オーディオトラックの「e」ボタンからプラグインの追加ができます。
「Inserts」の下にある空のスロットをクリック。
プラグインの候補の中からBIAS FXを探しましょう。この場合は「Other」カテゴリの中にBIAS FX 2がありました。
するとBIAS FXのウインドウが出て、エフェクトがかかった状態になります。
これでBIAS FXをプラグインとして読み込むところまで完了しました。
2.キャビネットシミュレータをバイパスする
続いて、BIAS FXのキャビネットシミュレータをバイパスします。
「バイパスする」とは、エフェクトをOFFにすることです。
バイパスの方法は簡単で、キャビネットの電源のようなマークをクリックするだけです。
キャビネットのアイコンを上にドラッグ&ドロップしてもバイパスできます。
アイコンが薄暗くなったら、バイパスできている状態です。
この状態ではキャビネットシミュレータが機能していないので、ギターを弾くととんでもない音が出てくるでしょう。
しかしキャビネットは次の作業で別に用意するので、これで問題ありません。
この場合、並列させた(DUALの)アンプそれぞれにIRを適用することはできません。
3.別のIRローダーを後ろに読み込む
最後に、IRローダーをプラグインとして読み込みましょう。
今回は具体的なIRローダーとして無料で提供されているNadIRを使います。
【参考】Emissary Plug-in Bundle | STL TONES
NadIRのインストールと使い方の解説【無料のIRローダーソフト】
BIAS FXと同じ要領で、トラックにプラグインとして追加します。
BIAS FXの次のスロットをクリック。
この順番が逆だと、キャビネット→アンプという順番になってしまうため音が崩壊します。
ここでも同じようにNadIRを探して選択。
NadIRはデフォルトでIRが入っているので、この時点でキャビネットシミュレータとして機能します。
以上の設定で、
BIAS FX(アンプシミュレータ)
↓
NadIR(キャビネットシミュレータ)
というエフェクトの流れが作れました。
これにより、アンプまでの音作りをBIAS FXで行い、キャビネット部分は外部のIRを使うといったことが可能になります。
まとめ
以上、BIAS FXのStandardグレードでもIRを使う方法を解説しました。
上位のProfessional、Eliteグレードを買わなくても、こういった方法を使えばIRとの連携はできます。
実際にやってみると、そこまで手間はかかりません。
そして個人的には、何であれ外部のIRを使った方が音質が良くなることが多いと感じます。
NadIRは無料ですし、IRのファイルにしてもフリーで使えるものが多いです。
DAWもCakewalk by BandLabなど無料で使えるソフトもあります。
よってBIAS FX+IRの組み合わせは追加費用なくできるので、ぜひ気軽に試してみてください。
もちろんBIAS FX以外でも、キャビネットをOFFにできるシミュレータソフトであれば同じ方法が使えます。
IRを活用したい方の参考になれば幸いです。
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