今回はクリップチューナー「tc electronic POLYTUNE CLIP」のレビューです。
POLYTUNE CLIPは精度や機能、使い勝手で最高のクリップチューナーと言えます。
値段も5,000円と高いものの、「これ以上ない製品がほしい」と思ったら本機を選べば間違いなし。
兄弟機「UNITUNE CLIP」との違いにも触れながらレビューしていきます。
高品質なクリップチューナーをお探しの方はぜひご覧ください。
- 6弦同時のポリフォニック・チューニング
- 最小±0.02セントの超高精度
- 「POLYTUNE」プラグインが付属
- 値段も5,000円とクリップチューナーで最高クラス
- 起動までにおよそ2秒
POLYTUNE CLIPの基本情報
まずはPOLYTUNE CLIPの基本的な部分から見ていきましょう。
主なスペックをまとめると次のとおり。
価格 | およそ5,000円 |
精度 | 最小±0.02セント |
基準音調整 | 435~445Hz |
重さ | 32g |
電池寿命 | 最大18時間 |
オートパワーオフ | 3分 |
付属品は次のとおりです。
- POLYTUNE CLIP本体
- 取扱説明書
- 「POLYTUNE」プラグインのコード
- 箱
コードの使い方はこの記事の後半と、下の記事でも解説しています。
Polytuneプラグインの入手方法と使い方【クーポンコードで無料】
POLYTUNE CLIPは画面とクリップのみのシンプルな形状です。
可動部は1ヶ所だけで、クリップに対して画面が180度回転します。
画面のサイズ(黒い部分)は実測で54mm×23mm。
画面がとても明るいのは大きなメリットです。
クリップ自体は金属なので頑丈。ホールド力も強いです。
「面」ではなく「線」で支える形になっており、見かけ上はやや不安。
しかし実際に使ってみると外れることは全くありません。
はさむ部分はラバー素材になっています。
クリップチューナー全般に言えることですが、使い終わったら毎回外すようにしましょう。
電池込みの重さは実測で32g。
クリップチューナーの中ではずっしりしていますが、ギターやベースにつけると気になりません。
電池のカバーは手で開けられます。
ただしカバーはプラスチック製であるため、「ツメ」の強度はやや不安。
意味もなく何度も開け閉めするのはやめておきましょう。
「CR2032」型のボタン電池を使います。
本体に1つ付属しているのですぐに使い始められます。
電池の持ち時間は最大で18時間。
仮に1日に3分使うとしましょう。18時間は1080分ですから、使える日数は1080÷3=360日。
つまり新品の電池1つで1年くらいは使えることになります。
POLYTUNE CLIPの3つのチューニング・モード
POLYTUNE CLIPには次の3つのチューニング・モードが実装されています。
- ポリフォニック・モード
- ストロボ・モード
- クロマチック・モード
ポリフォニック・モード
「ポリフォニック・モード」はギターの6弦を同時にチューニングする機能です。
これはUNITUNE CLIPとの大きな違いの1つで、POLYTUNE CLIPにだけ実装されています。
6弦をジャラーンと鳴らすと自動的にポリフォニック・モードになるため、モードの切替などは不要。
精度はストロボ・モードに及ばないものの、全ての弦をいっぺんに素早くチューニングできます。
ストロボ・モード
「ストロボ・モード」は最も精度が高いチューニングモードです。
±0.02セントという精度はペダル型を含めてもチューナーとして最小クラス。
他のチューナーでは拾いきれないごく僅かな音程のズレまで検知できます。
横線が左右に動くことで音程のズレを表しています。読み方は次のとおり。
- 右に動く:音程が高い
- 左に動く:音程が低い
- ゆっくり動く:音程のズレが小さい
- はやく動く:音程のズレが大きい
精度にこだわる方はぜひストロボ・モードを使ってみてください。
クロマチック・モード
クロマチック(ニードル)・モードは一般的なチューニング方法です。
針が左右に動いて音程のズレを表します。
ストロボよりも精度は劣りますが、直感的に素早くズレを把握できるのがメリット。
POLYTUNE CLIPの機能
続いてはPOLYTUNE CLIPのチューニング以外の機能を見ていきましょう。
POLYTUNE CLIPには合計で3つのボタンが付いています。
ボタンの数はUNITUNE CLIPと同じですが、POLYTUNE CLIPの方が多くの機能が実装されています。
電源ON・OFF
短い辺のボタンが電源ボタンです。
押すと2秒くらいかかって電源がONになり、もう一度押すとOFFにになります。
起動までの2秒という時間はクリップチューナーとしては平均~やや長め。
もう少し素早く起動できればさらに使い勝手がいいと思いました。
チューニングモード変更
長辺の下側のボタンでチューニングモードを変更可能。
これはUNITUNE CLIPにはなく、POLYTUNE CLIPだけにある機能の1つです。
POLYTUNE CLIPはギターとベースで別なモードがあり、合計で次の4つのモードがあります。
- ギター・ストロボ
- ギター・クロマチック
- ベース・ストロボ
- ベース・クロマチック
ボタン長押しでギター⇔ベースを切り替え、一瞬押すとストロボ⇔クロマチックを切り替えられます。
ポリフォニックは全弦を鳴らすと自動で切り替わるので、モード変更は必要なし。
ただしポリフォニックが使えるのはギターモードのみです。
ドロップ・カポタストモード変更
POLYTUNE CLIPには、ドロップチューニングやカポタスト装着時のための設定ができます。
これは、開放弦の音程がEADGBE以外でもポリフォニックチューニングするための機能です。
対応しているのは、
- レギュラーチューニング(標準)
- 半音~2音半下げチューニング
- 1~7フレットにカポタスト装着
の合計13パターン。
長辺上側のボタンを押すと順に切り替わります。
まずこちらがレギュラーチューニングの状態。
こちらが半音下げチューニングに対応するモード。
カポタストを1フレットに装着したときのモードがこちら。
この設定は電源を入れ直しても保存されています。
そのため毎回何度もボタンを押す手間はかかりません。
リファレンストーン調整
POLYTUNE CLIPには「リファレンストーン」を調整する機能もあります。
範囲は435~445Hzで、1Hzずつ調整可能。
側面のボタン2つを同時押しするとリファレンストーン設定画面に入れます。
リファレンストーン(基準音)とはチューニングの基準となる音の周波数のことです。
普通にギターやベースを弾くのであれば440Hzに設定しましょう。
一方、楽器によっては440Hz以外のリファレンストーンを使うこともあります。
POLYTUNE CLIPであれば、そういった変則的なケースにも対応可能。
工場出荷時は440Hzになっているはずですが、使い始めるときはまずリファレンストーンを確認してみましょう。
画面の自動回転
POLYTUNE CLIPは本体の向きによって画面の表示が自動で回転します。
モードの切替などは必要ありません。
下の写真では、本体は逆さまでもアルファベットの向きは同じなのが分かるでしょう。
この機能のおかげで右利きでも左利きでも問題なく使えます。
付属する「POLYTUNE」プラグイン
POLYTUNE CLIPには下のようなコードが付属しています。
これはチューナープラグイン「POLYTUNE」を手に入れるためのクーポンコードです。
「POLYTUNE」は本来有料のプラグインですが、このコードがあれば無料でDL可能。
入手方法と使い方はこちらの記事で解説しています。
Polytuneプラグインの入手方法と使い方【クーポンコードで無料】
DAW上でPOLYTUNEプラグインを読み込むと、POLYTUNE CLIPのようなチューナーが起動します。
ストロボとポリフォニックも実装。
POLYTUNE CLIPは3分経つと自動で電源が切れるため、常時ONにしておくことができません。
プラグインなら画面に表示させておけばいつでもチューニングを確認できます。
どれだけ使っても電池が減らないのもメリットです。
POLYTUNE CLIPとUNITUNE CLIPの違い
ここまでPOLYTUNE CLIPの特徴をまとめました。
その内容を踏まえた上で、兄弟機「UNITUNE CLIP」との違いをもう一度チェックしてみてましょう。
この2機種の違いは次のとおりです。
- ポリフォニック・モードの有無
- ギター・ベースモードの有無
- ドロップ・カポ対応の有無
- 価格:4,000円と5,000円
1番の違いは「ポリフォニック・モード」の有無です。
6弦同時にチューニングできる機能はPOLYTUNE CLIPだけに実装されています。
細かい機能として、ギター・ベースモードの切り替えや、変則チューニング・カポへの対応もPOLYTUNE CLIPのみ。
このようにPOLYTUNE CLIPの方が機能が多く、それだけ値段も1,000円ほど高いです。
そこまで多くの機能を求めないのであれば、UNITUNE CLIPでも不満なく使えるでしょう。
UNITUNE CLIPでも精度は同じですし、必要十分な機能は揃っています。
【UNITUNE CLIP レビュー】高精度クリップチューナーの決定版POLYTUNE CLIPを装着した様子
最後に、POLYTUNE CLIPを色々なギターやベースに取り付けた様子をご紹介します。
今回検証した全てのタイプにはどれも見やすい角度で安定して取りつけられました。
ストラトキャスタータイプ
レスポールタイプ
テレキャスタータイプ
PRSの狭いヘッド
Ibanezの尖ったヘッド
アコースティックギター
エレキベース
POLYTUNE CLIP レビューまとめ
以上、クリップチューナー「tc electronic POLYTUNE CLIP」のレビューでした。
メリットとデメリットをまとめると次のとおり。
- 6弦同時のポリフォニック・チューニング
- 最小±0.02セントの超高精度
- チューナープラグイン「POLYTUNE」が付属
- 値段も5,000円とクリップチューナーで最高クラス
- 起動までにおよそ2秒
これらを総合するとPOLYTUNE CLIPはクリップチューナーの頂点とも言える製品です。
値段も5,000円と高額ながら、他の追随を許さない精度と機能を誇っています。
「これ以上ないクリップチューナーがほしい」という方はぜひチェックしてみてください。
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