この記事ではテレキャスタータイプの総合的なメンテナンス方法を解説します。
エレキギターを扱う上で定期的なメンテナンスは欠かせません。
メンテナンスを正しく行うことで次のようなメリットがあります。
- 弾きやすくなる
- 正しい音程が出る
- 音がしっかり出る
具体的なメンテナンス方法はギターやパーツの種類によって異なります。
そこでこの記事ではテレキャスターに限定して全体的なメンテナンス方法を紹介していきます。
以下の調整を1つずつ順番に行うことで、テレキャスターがギターとして問題なく使える状態になるでしょう。
テレキャスターのメンテナンスがしたい方はぜひご覧ください。
テレキャスターのネック調整
エレキギターのネックは木材でできており、湿度や気温、時間経過の影響を受けて反ってくることがあります。
これを「ネックが反る(そる)」といいます。
ネックの反りを直して適切な状態にするのがネック調整です。
ネック調整をすると正しい弦高に設定できるようになり、次のようなメリットがあります。
- 弾きやすくなる
- 音のつまり、ビビリが解消する
ネックはギターの状態を決定づける重要なパーツです。
ネックが大きく反っていると、他の部分を調整しても思ったような効果が得られないこともあります。
そのため総合的にメンテナンスする場合はネックからチェックしてみましょう。
ネック調整はネックに仕込まれているトラスロッドを調整して行います。
ネック調整の詳しいやり方は下の記事で解説しています。内容をよく確認しながら作業してください。
エレキギター全般のネック調整方法【解説】ネックはデリケートな部分であるため、闇雲に調整するべきではありません。多少の反りであれば無視しても大丈夫です。必要であれば専門家のもとに持っていくことも検討してください。
テレキャスターの弦交換
エレキギターの弦は金属でできており、手汗などの影響でどんどん錆びてきます。
そこで定期的に必要なのがメンテナンスの基本である弦交換です。
状態の良い弦を張っておくと次のようなメリットがあります。
- キラキラした明るい音が出る
- チューニングが安定する
- フレットを削って傷めない
テレキャスターの弦交換の方法は下の記事で解説しています。
最初は難しく感じますが、繰り返し自分でやってみることでコツを掴みましょう。
テレキャスターの弦交換【解説】弦を錆びにくくする
日頃から弦を錆びにくくする工夫をしていれば、面倒な弦交換を減らすだけでなく弦の費用の節約にもなります。
弦のサビ防止に役立つのが指板潤滑剤と呼ばれるアイテムです。
指板潤滑剤で弦をメンテナンスすると、防サビだけでなく滑りが良くなる効果もあります。
エリクサーなど錆びにくく作られているコーティング弦を張るのもおすすめです。
ギターの弦を長持ちさせる方法【錆びづらくして寿命を伸ばす】弦交換とセットで行うメンテナンス
弦交換で弦を外したときは普段やりづらいメンテナンスをする良い機会です。
必要に応じてやっておくといいでしょう。
ボディを掃除する
弦を外した状態であればボディやヘッドを隅々まで掃除できます。
特にピックアップ周辺にはホコリが溜まりやすいので、この機会にキレイにしておくといいでしょう。
ボディやネック裏のしつこい汚れを落とすにはポリッシュ剤が便利です。
指板のメンテナンス
指板は手汗で汚れるだけでなく、木材としての本来の潤いがなくなってきます。
そこで1~2ヶ月に1回程度の頻度でケアをするのがおすすめです。
専用のアイテムでメンテナンスすると、見た目がキレイになるだけでなくネックの反り防止にもつながります。
専用オイルでギターの指板を手入れする方法フレットを磨く
フレットは金属でできているため、時間とともにくすんだり錆びたりしてきます。
金属用研磨剤を使ってフレットを磨けば、音や演奏性について次のようなメリットがあります。
- 見た目がピカピカになる
- キラキラした元気な音が出る
- サステイン(音の伸び)が長くなる
- チョーキングが滑らかになる
フレットの劣化はそれほど早くはないため、フレット磨きは多くても1年に1回程度で十分です。
ギターのフレットを磨く2つの方法と効果【解説】テレキャスターの弦高調整
ギターのフレットから弦までの距離を弦高(げんこう)といいます。
弦高を適切に調整するメンテナンスが弦高調整です。
弦高調整をすることで次のようなメリットがあります。
- 弦が押さえやすくなる(弾きやすくなる)
- 音のつまりやビビリが解消される
テレキャスターの弦高調整はサドルのネジを回すだけなので、やり方さえ分かれば簡単です。
詳しいやり方は下の記事で解説しています。
テレキャスターの弦高調整【解説】テレキャスターのオクターブ調整
ギターをチューニングしてもハイフレットの音程が合わないことがあります。
※ハイフレット…高い音が出る右側のフレット
この問題を修正するのがオクターブ調整(オクターブチューニング)です。
弦が乗っているサドルの位置を微調整することで、フレット全体で正しい音程がでるようにします。
テレキャスターはブリッジのお尻にあるネジを回すことでオクターブ調整できます。
回転と音程には次の関係があります。
- 時計回り
→12フレットの音程が下がる - 反時計回り
→12フレットの音程が上がる
詳しい手順は下の記事で解説しています。
テレキャスターのオクターブチューニング方法テレキャスター その他のメンテナンス
上記以外に必要に応じてやっておくといいメンテナンスも紹介します。
ガリを直す
シールドを挿して少し動かしただけでガリガリというノイズが出ることがあります。
この「ガリが出る」問題の原因はジャック内部の接触不良です。
ジャックそのものを交換しなくても、接点復活剤を使うとほとんどの場合ガリを直せます。
エレキギターのガリを直すには接点復活剤を使う金属パーツを磨く
ペグなどの金属パーツも時とともに錆びてきます。
フレットと同じように金属用研磨剤で磨くと新品のようにピカピカにできます。
実用上のメリットはほとんどありませんが、見た目も良くしたい方はやってみてください。
エレキギターの金属パーツを磨いてサビを落とす方法【ピカールを使う】ペグの回しやすさを調整する
ペグの回しやすさは簡単に調整できます。
側面のネジをドライバーで次のように調整しましょう。
- 側面のネジを時計回りに回す
→固くなる(回しにくくなる) - 側面のネジを反時計回りに回す
→柔らかくなる(回しやすくなる)
→最終的に外れる
柔らかくしすぎるとペグ本体が外れるので注意してください。
ペグの固さを調整する方法 – ドライバーでネジを締めるテレキャスターのメンテナンス まとめ
以上、テレキャスタータイプの総合的なメンテナンス方法をまとめました。
ここで紹介した調整を順番にやっていくことで、ギターとして問題なく使える状態にできます。
全てのメンテナンスを一度にやる必要はありません。
弾きづらさや音程のズレなどを感じたとき、必要な部分だけでも参考にしてください。
ネックなどのデリケートな調整は無理に自分でやらずに、専門家のところへ持っていくのも手です。
この記事がテレキャスターをお使いの方の参考になればと思います。
エレキギター全般のネック調整方法【解説】 テレキャスターの弦交換【解説】 テレキャスターの弦高調整【解説】 テレキャスターのオクターブチューニング方法