この記事では、エレキギターの弦高調整のやり方をタイプ別に紹介します。
弦高を調整すると弾きやすさや弦の鳴り方を改善できることがあります。
専門家に頼まなくても自分でできる簡単なメンテナンスなので、ぜひお試しください。
弦高調整とは
エレキギターの弦高とは、12フレットの頂点から弦までの高さを指します。
この高さを調整することを「弦高調整」といいます。
弦高が持つ傾向
弦高の高さは弾きやすさと音の鳴り方に影響します。
一般に次の傾向があることを覚えておきましょう。
- 押さえるのが大変になる
- 弦がビビりにくい
- 押さえるのが楽になる
- 弦がビビりやすい
例えば速弾きなどのテクニカルな演奏をよくする場合は、弦の押さえやすさを重視して弦高を低めに設定するのがいいでしょう。
ここで言う「音がビビる」とは、振動している弦が途中のフレットに当たって「ビビビ…」と不要な音が鳴る現象です。
音のビビリはないに越したことはありません。
しかし生の音が多少ビビっていても、アンプを通した音に影響がなければそこまで問題視しなくてかまいません。
弦高の目安
弦高の具体的な数値はおよそ次のとおりです。
- 6弦:1.5mm~2.5mm
- 1弦:1.0mm~2.0mm
なおかつ、6弦から1弦に向かって弦高が低くなるように調整します。
重要なポイントとして、弦高には絶対的な正解はありません。
上にも書いたように、演奏者の好みやよく使うテクニック、ギターの種類などによって最適な高さは変わってきます。
なので色々な高さを試してみて、ご自身に合った弦高を見つけてみてください。
弦高を測る道具
弦高を測るには、下のような0mmから始まる定規が便利です。
端に余分なスペースがある文房具の定規だと、正確な弦高が測れません。
ギターをお持ちの方であれば、こういった定規を1つ持っておくのをおすすめします。
弦高調整の手順
ここからは弦高調整の手順をご紹介します。
1.弦高を測る
まずは調整前の弦高を測ってみましょう。
12フレットの頂点に定規を置いて、弦までの間隔を読み取ります。
この数値と弾きやすさ、弦の鳴り方を総合して弦高を上げるのか下げるのかを決めます。
2.弦高を調整する(タイプ別)
弦高を調整する具体的な方法はギターの種類やパーツによって違います。
今回は4つの代表的なギターのやり方をご紹介するので、お持ちのギターに合うものを参考にしてください。
タイプ別の詳しい解説記事もあるので、こちらもご覧いただければと思います。
ストラトキャスターの場合
ストラトキャスタータイプのギターであれば、ブリッジは基本的に下のような形状になっているはずです。
(写真:Bacchus BST-650B)
この場合、六角レンチを使って次のように調整できます。
- 時計回り
→弦高が高くなる - 反時計回り
→弦高が低くなる
弦高調整に使う六角レンチは、ギターに付属していることが多いです。
注意点として、サドル(弦が乗るパーツ)の水平を保つことを意識しましょう。
2本のネジでバランスが取れていないと、弦が左右にズレてしまいます。
ストラトキャスターの弦高調整の方法【解説】レスポールの場合
レスポールの場合は、下のような「チューン・O・マチック」タイプのブリッジが使われていることが多いです。
(写真:Tokai LS160)
この場合は左右のナットを回すと弦高を調整できます。
- 時計回り
→弦高が下がる - 反時計回り
→弦高が上がる
レスポールの弦高調整に関わるのは、左右の2つのナットだけです。
これを回して全体のバランスを調整しましょう。
ナットを回す際はラジオペンチを使うと楽です。
さらに布を噛ませると、うっかりギターが傷つくのを防げます。
レスポールの弦高を調整する方法【解説】フロイドローズを搭載するロック式ギター場合
下のような複雑な構造を持つブリッジを「フロイドローズタイプ」と呼びます。
(写真:Ibanez S420)
そしてこういったブリッジを持つギターを一般に「ロック式ギター」といいます。
この場合、左右のボルトを六角レンチで回すと弦高が調整できます。
- 時計回り
→弦高が下がる - 反時計回り
→弦高が上がる
PRS の場合
PRS(Paul Reed Smith)にはストラトとほぼ同じ調整ができるギターがあります。
下のようなブリッジを持つCustom24などがその一例です。
(写真:PRS Custom24 2013年製)
この場合、弦高調整の方法もストラトタイプと全く同じです。
- 時計回り
→弦高が高くなる - 反時計回り
→弦高が低くなる
3.弦高の再チェック→弾いてみる
弦高をある程度変えたら、もう一度定規で測ってみましょう。
思った通りの方向に上げ下げできていればOKです。
勘違いして逆に調整していることもあるので注意してください。
弦高を変えるとチューニングもズレます。
そこでチューニングもやり直して、実際に弾いてみましょう。
弾きやすさや弦の鳴り方に納得できればとりあえず調整は完了です。
もう少し変えてみたいと思ったら、手順2に戻って再調整をしてみてください。
おわり
以上、エレキギターの弦高調整の方法を解説しました。
弦高はホンの少し変えるだけで弾き心地が大きく変わります。
専門家に頼まなくても簡単にできるメンテナンスなので、定期的に見直してみてください。
今回はいくつかのタイプを紹介したので、そのうちのどれかが参考になればと思います。