今回は、CARVINの真空管ギターアンプヘッドV3Mのレビューです。
V3Mはプリ管・パワー管ともに真空管を使った、本格派のフルチューブアンプです。
最小で7Wまで電力を下げられるため、自宅でも極上のチューブサウンドを味わえます。
CARVIN V3Mは真空管を計8本使用
まずは、V3Mの目玉であるフルチューブという点に注目してみます。
側面のネジを4本外すと、簡単にカバーが外れて真空管にアクセス出来ます。
手前の4本がプリ管、その奥の4本がパワー管です。壮観です。
使わないときは常にタオルを掛けていたにも関わらず、カバーを外すとかなり埃が貯まっていました。定期的にカバーを外して掃除するのが良さそうです。
プリ管はECC83(12AX7)が4本
正面から見て手前の4本がV3Mのプリ管です。
使われている真空管は、JJ ELECTRONICの「ECC83S」でした。
JJ ELECTRONICはスロバキアのメーカーです。
ECC83と12AX7について
ECC83と12AX7は違う表記なだけで、どちらも同じものを指しています。
「ECC83」はヨーロッパの呼び方で、「12AX7」はアメリカの呼び方です。
パワー管はEL84が4本
続いて、プリ管の後方に搭載されたパワー管をチェック。
こちらはSOVTEKの「EL84/6BQ5」でした。
名前から想像出来るとおり、SOVTEKはロシアのメーカーです。
CARVIN V3Mの音質
以上、V3Mの真空管をチェックしてみました。続いて肝心の音質について見ていきます。
結論から言いますと、それまで使っていたフルチューブではないアンプと比べるとV3Mの音は完全に別物です。
真空管ならではの生々しい感じがたまりません。
V3Mにはクリーンチャンネルが1つ、ドライブチャンネルが2つ搭載されています。
実際に使ってみた上で、それぞれの音質についての感想を書いていきます。
クリーンチャンネル
クリーンチャンネルのすぅっと澄み切ったサウンドは弾いていてとても気持ちがいいです。
ピッキングのごく僅かな表情の変化も逃さずに、音に反映してくれます。これもフルチューブならではポイントだと思います。
内蔵のリバーブとの相性もバツグンです。
エフェクターによる音作り
クリーンチャンネルの素の音が素晴らしいのに加えて、歪みエフェクターのノリも最高です。
V3M購入以前から使っていたBOSS DS-1Xを使ってみましたところ、性能をさらに引き出せたと感じました。
エフェクターで歪みを作る場合でも、やはり真空管を通すのと通さないのとでは別物ですね。
【BOSS DS-1X レビュー】上品な歪みの優等生エフェクタードライブチャンネル
V3Mにはドライブチャンネルが2つ搭載されています。
2つは微妙に違った音色のドライブサウンドであるため、使い分けが可能。
歪みサウンドのクオリティはというと、これも流石フルチューブアンプといったところ。
トランジスタアンプやエフェクターでは表現出来ない旨みのある音がします。
参考動画
僕の語彙力が乏しいのもあって、音についてはなかなか上手く説明出来ません。
音については代理店のサウンドハウスが公開している紹介動画が参考になります↓
この動画で聴こえる音と僕が実際に使ったときの音にそれほど差は感じませんでした。
そのため、こちらの動画はかなり参考になると思います。
セッティングによる違いも詳しくレビューしているので、ぜひチェックしてみてください。
CARVIN V3Mの機能
次に、V3Mの機能面についてご紹介します。
V3Mの機能をざっくり並べると、次のとおりです。
- 出力調整(7,22,50W)
- インピーダンス調整(4,8,16Ω)
- LINE OUT (CABINET VOICED)
- センド・リターン
- LEDライト(赤・青)
- ブースト(フットスイッチで操作)
たくさん機能があるのですが、ここでは気になったポイントについて掘り下げます。
出力調整
家で使うとなると気になるのはやはり音量の問題。
V3Mは最小で7Wまで電力を下げられるため、自宅でも問題なく使えます。
マスターボリューム、チャンネルボリュームともに効きがよく、小さい音量でも微妙な調整が可能です。
また、7Wモードで音量を小さく絞っても音のクオリティは変わらないと感じました。
LINE OUT
V3Mにはミキサーやパワーアンプに信号を送るためのLINE OUTがついています。
「CABINET VOICED」とあるので、キャビネットから出た音をシミュレートしているのでしょう。
LINE OUTの音は、正直イマイチでした。ただ、シミュレートだけで実現するのが大変な機能ですから、ここは仕方ないかなと。
個人的にはヘッドホン出力があれば、音質はあまりよくないとしても便利だと思いました。
LED
背面のスイッチでLEDライトを点灯できます。
僕のように明るい室内でしか使わない場合あまり出番がありません。
暗いステージだと映えるかも?
CARVIN V3M レビューまとめ
以上、CARVIN V3Mのレビューでした。
家で使う真空管ギターアンプとして購入してV3Mは大正解でした。
小型のアンプに比べて重く場所もとりますが、真空管の音を楽しめるメリットは大きいです。
自宅用真空管ギターアンプをお探しの方の参考になればと思います。
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