今回はディストーションペダル「BOSS DS-1X」のレビューです。
DS-1Xの1番の特徴はとても上品な歪み方。
値段が15000円と決して安くはありませんが、1つの終着点になり得るエフェクターだと思います。
先に良いところと悪いところを書くと次のとおり。
- 上品な歪み
- LOWツマミがかなり使える
- ノイズがほとんどない
- 値段は高め
- 上品ゆえに、荒々しさが足りない可能性あり
- 上手くなったと錯覚してしまう
本機「DS-1X」は同じくBOSSのDS-1の兄弟機にあたりますが、実際のところ中身はかなり違います。
使えるディストーションペダルをお探しの方はぜひご覧ください。
BOSS DS-1Xの良かったところ
上品な歪み
良くも悪くも荒々しさが全くなくて、どれだけ歪ませても透き通った音がします。
そんなことあるのかと思うかもしれませんが、あるんです。
歪んでいるのに整っている、という一見矛盾するような音に感じます。
クリーンがキレイなアンプと組み合わせると、相乗効果で特にクリアな音になります。
歪みの量としては、扱いやすいディストーションからザクザクのディストーションまでOKです。
DISTを上げるに従って高音がキツくなる傾向があるので、HIGHツマミを下げる必要があります。ここはケースバイケースで調整。
LOWツマミがかなり使える
EQには低音のLOWと高音のHIGHがありますが、特にLOWの役割が面白いと思いました。
まず、LOWを0まで下げても音は破綻せず、BOSS DS-1のカラッとした音色に近づきます。
普通エフェクターの低音のツマミを最小にすると音が崩壊しますが、DS-1Xではそうはなりません。
反対に、BASSを12時よりも上げていくとメタル系の音色に近づいていきます。
つまり、BASSは低音をコントロールしているというよりは音色そのものの「タイプ」を変えている感覚に近いです。ここがなかなか面白いところだと思います。
こんな感じで色々な傾向に寄せられるので、これ1台で対応できる音の幅はかなり広いです。なんでもそつなくこなす優等生、とでもいったイメージ。
ノイズがほとんどない
公式でもローノイズを謳っているとおり、かなり歪ませてもノイズが少ないです。
元祖DS-1はけっこうノイズが乗るエフェクターだったのですが、DS-1Xは違います。
せっかくきれいな音が出るのですから、ノイズを気にせず弾けるのはありがたいです。
BOSS DS-1Xの良くなかったところ
15000円という値段
モノが良いだけに仕方ないのですが、値段が15000円とそれなりにします。BOSSのコンパクトエフェクターの中では高価な部類です。
DS-1の三倍と考えると高いようですが、実際に使ってみて、それだけの価値は充分あると感じました。
上に書いたようにDS-1Xはそもそも歪みの質がキレイですし、対応できる音の幅も広いです。
そのため個人的にはこういう器用なエフェクターを1台目のディストーションとしておすすめしたいのですが、いかんせん値段が高い。
むしろ上品すぎると感じる可能性あり
これまで書いてきたDS-1Xの上品さは僕にとっては好みの音色だったのですが、人によっては逆に荒々しさが足りないと感じるかもしれません。
DISTとLOWツマミを上げていくとメタル系統の音色になるのですが、それでも音は整然としているのです。
これはエフェクターだからというよりは、DS-1Xの特徴といったほうが正しいと思います。
そのため、荒々しいハイゲインをドンピシャで求める場合、他の選択肢も検討することをおすすめします。
上手くなったと錯覚してしまう
DS-1Xを使うとあたかも自分の腕前が上がったように錯覚することがあります。これはあえて「悪いところ」の欄に書きます。
かっこよく歪むエフェクターにありがちな現象ですね。「どう弾いても上手い感じに聴こえてしまう」のです。
一般にディストーションペダルにはその傾向がありますが、DS-1Xは特にその傾向が強く感じます。
パワーコードでメタルのバッキングをしているときもやたらまとまりが良いですし、タッピングの音も不思議なくらいしっかり出ます。
コンプレッサー的な処理が内部で施されているのでしょうか?
厳しい視点から見ると、上達を妨げるという側面もあるかもしれません。これから買おうという方はこの点も気をつけてください。
BOSS DS-1X レビューまとめ
以上、BOSSのディストーションペダルDS-1Xのレビューでした。
ここまで上品な歪みのエフェクターはなかなかありません。
好みによってはDS-1Xは歪み探しの終着駅にもなると思います。
おすすめのディストーションエフェクター【エレキギター用】 【BOSS MT-2W Metal Zoneレビュー】肉汁あふれる技Craft版メタルゾーン 初心者向けマルチエフェクターの比較とおすすめ5選【エレキギター用】 【BOSS GT-1レビュー】アンプの前で使うべき2万円のマルチエフェクター 【MOOER GE150レビュー】IR読み込み可能な2万円のマルチエフェクター