今回は、エレキギター用アンプ「BOSS KATANA-MINI」（型名KTN-MINI）のレビューです。
実際に使ってみて感じたメリット・デメリットは次のとおり。
- 小型でも高音質
- エフェクターの乗りが良い
- 小さい・軽い
- DELAYは微妙
- 大型スピーカーと比べると迫力は劣る
- 「刀」がダサい
総合すると、KATANA MINIは超小型ながら自宅用には十分過ぎる音質のギターアンプです。
エフェクターとの相性もよく、例えば歪みはエフェクターで作りたいという方にも向きます。
スピーカーが小さいため普通サイズのアンプと比べると迫力はやや劣ります。
しかし大きな音を鳴らせない場所ならどちらも大差はありません。
値段も1万円とリーズナブルなので、初めてのギターアンプとしてはベストバイ。
以下では実際に買って使った上でレビューしていきます。
次のような方はぜひご覧ください。
- BOSS KATANA MINIの口コミ・評判が知りたい
- 自宅用の小さいアンプを探している
- 1台目のエレキギター用アンプを買う予定である
BOSS KATANA-MINIの基本情報
まずはBOSS KATANA-MINIの基本的な部分から見ていきましょう。
KATANA（刀）シリーズについて
今回レビューするKATANA MINIは、BOSSが送るギターアンプ「刀」シリーズの最小モデルです。
刀シリーズにはさらに大きなサイズ・出力の
といったモデルが販売されています。
さらに刀シリーズの上位には「WAZA（技）」シリーズのギターアンプも存在。
技シリーズのアンプはどれも10万円を超えるハイエンドな製品です。
これらの製品群の中ではKATANA MINIは最も小型であり、小さな音量で使いやすいモデルになっています。
本体の価格はおよそ1万円。
小型アンプとしては標準的な値段なため初心者でも手が届きやすいモデルです。
付属品
BOSS KATANA-MINIの付属品は以下のとおり。
- KATANA MINI本体
- 単三電池×6
- 保証書
- 取扱説明書
- ユーザー登録ガイド
こちらがKATANA MINIの本体です。仕様や機能、音質についてはこれからじっくりとレビューしていきます。
動作確認のための電池がついています。
KATANA MINIは電池駆動もできるギターアンプです。
電池が付属することで、届いてすぐに電池駆動の動作確認ができるようになっています。
保証書。保証期間は1年です。
取扱説明書には日本語もあります。
ユーザー登録ガイド。ユーザー登録はしなくても大丈夫です。
箱はこちら。
KATANA MINI用のACアダプター「PSB-100」は付属しません。
コンセントから電源を取りたい場合はPSB-100を別に用意しましょう。
Amazonや楽天では本体とACアダプターがセットでお得に売られていることもあります。
サイズ・重さ
KATANA MINIは小型コンボアンプの中でも特に小さい部類です。
寸法は実測で次のとおり。
幅230mm×高さ170mm×奥行116mm
※高さは取っ手を含む
具体的にどれくらいかというと、幅はBOSSのコンパクトエフェクター2個分より少し短いくらいです。
奥行は1個分より少し短いくらい。
中に隠れているので見えませんが、直径10cm（4インチ）のスピーカーが内蔵されています。
4インチというのはギターアンプのスピーカーとしては小さく、自宅用ならではのサイズです。
重さは実測で1,007g。（電池なし）
ちょうど500mlのペットボトル2本分です。
そう考えると少しずっしりしているように感じますが、この大きさで1kgなので実際に持ってみると軽く感じました。
部屋の中で移動させたり、バッグに入れて外へ持ち出したりするのにも苦労しません。
ここまで軽いのは本体が基本的にプラスティックで出来ているからです。
高級感こそありませんが、作り自体はしっかりしていて耐久性は問題なし。
電力について
KATANA MINIの出力と消費電力については次のとおり。
| 出力 | 7w |
| 消費電力 | 350mA |
7wという出力はギターアンプとしては小さいです。
しかしKATANA MINIはGAINとVOLUMEによっては自宅では鳴らしきれないくらいほどの爆音が出ます。
普通の一軒家や賃貸住宅であれば、音が小さすぎるということはあり得ません。
BOSS KATANA-MINIの仕様と機能
続いてはBOSS KATANA-MINIの詳しい仕様について見ていきましょう。
上側の入力、ツマミ、スイッチ
まず、KATANA MINIの上側のパネルには以下のものがついています。
- INPUT
- TYPEスイッチ
- GAIN
- VOLUME
- EQUALIZER（BASS、MIDDLE、TREBLE）
- DELAY（TIME、LEVEL）
- POWERスイッチ
INPUT
「INPUT」にはギターやエフェクターに接続しているシールドを挿します。
KATANA MINIは本体こそプラスティック製ですが、INPUT端子はもちろん金属製なので丈夫です。
3つのタイプ
KATANA MINIはTYPEスイッチで3つのモードを選べます。
- CLEAN
- CHRUNCH
- BROWN
上記3つのモードがあるのは遊び心をくすぐるポイントです。
小型＆1万円でもここまで音のバリエーションを実装しているのはすごいと思いました。
CLEANは文字通りクリーンのサウンドです。
KATANA MINIには真空管は使われていないということもあり、クリーンは無機質で使いやすい音色に感じました。
エフェクターの乗りも良いです。
続くCRUNCHはクランチサウンド。
中音域に特徴があります。
いわゆるチャキチャキした軽い音は苦手なのが少し残念でした。
BROWNは一番歪むモードです。
これも中音域に特徴がある太い音で、オーバードライブをそのまま深く歪ませたような印象でした。
ドンシャリ、ジャリジャリのディストーションとは違います。
GAINとVOLUME
それぞれのモードは「GAIN」と「VOLUME」で歪みと音量を調整します。
実際に使ってみたところでは、GAINではそこまで歪みは大きく変わらない印象でした。
音はほとんどモード選択で決まります。
VOLUMEが少しずつ変化するのは使いやすいポイントです。
自宅など小音量でしか使えないところでも、シビアに音量を調整できます。
3つのイコライザ
音域ごとの音量を決めるイコライザは次の3つがあります。
- BASS：低音域
- MIDDLE：中音域
- TREBLE：高音域
まず、この価格でも3帯域のイコライザがついているのは満足です。
TONE1つだけや、BASS・TREBLEの2つだけではないのは評価できます。
イコライザの効きはまずまず。
ものすごく美味しく効くわけではないのですが、モード・GAINをセットした後の追い込みには使えます。
DELAY（ディレイ）
KATANA MINIは小型アンプには珍しく「ディレイ」を内蔵しています。
ディレイとは「やまびこ」のように入ってきた音のコピーを遅らせて鳴らすエフェクトです。
ツマミでコントロールできるパラメータは次の2つ。
- TIME：やまびこの遅れ
- LEVEL：やまびこの音量
ディレイについては正直なくてもいいかなという感じでした。
ないよりはマシではあるものの、個人的に気持ちの良いかかり方ではないと感じます。
そのため僕はこのディレイをほとんど使っていません。
POWERスイッチ
電源はスイッチでON・OFFします。
赤いLEDのインジケータがあるので、電源の状態を把握しやすいです。
背面の端子類
次はKATANA MINIの背面についているものをチェックしていきましょう。
- DC IN
- 電池スロット
- AUX IN
- PHONES / REC OUT
DC IN
DC INには専用のACアダプター「BOSS PSB-100」を接続します。
コンセントから電源をとって使う場合はDC INを使いましょう。
電池スロット
KATANA MINIはコンセントがなくても電池で駆動できます。
使うのは単三電池×6本。
仕様上の電池持ちは次のとおりです。
| アルカリ電池 | 約7時間 |
| 充電式ニッケル水素電池 | 約9時間 |
※容量2500mAh、連続使用
AUX IN
「AUX IN」は外部のプレイヤーの音とミックスするのに使う端子です。
AUX INの機能を使えば曲と合わせてギターを弾くことができます。
スマホや音楽プレイヤーとAUX IN端子を接続するには、AUXケーブルという両端がステレオミニプラグのケーブルを使います。
PHONES / REC OUT
KATANA MINIにはヘッドホン出力が備わっているため、ヘッドホンで音を聞きながら静かに演奏できます。
ここから聞こえてくるのは、スピーカーから出てくる音をシミュレートしたものです。
ヘッドホンを接続しているときはスピーカーからは音は鳴りません。
またこの出力からオーディオインターフェースなどへ接続すれば、その音で録音も可能。
PHONES / REC OUTの音質はというと、やはり実際のスピーカーからの音に比べると劣ります。
あくまでおまけ程度に考えるのがいいでしょう。
しかし、主な音作りをエフェクターでした場合はヘッドホン出力でもそれなりに使える音質が得られました。
僕が使ったのはBOSS DS-1Xというディストーションペダルです。
このように工夫次第では普段の練習には十分なサウンドにもなります。
PSA-100が使えるかどうかという問題
ここまで何度かBOSS KATANA MINIのACアダプターには「BOSS PSB-100」を使うと書いてきました。
そこで気になるのが、コンパクトエフェクターに使われる「PSA-100」でKATANA MINIが動くのかという問題です。
結論から書くと、僕の環境ではPSA-100でも動作したものの、おすすめはできません。
PSA-100を使っても、電源は普通に入り音もPSB-100のときと同じように出ました。
PSA-100にも色々な製品があるのですが、僕が使ったのは「PSA-100S」というモデルです。
しかし他の方のレビューではPSA-100では動かなかったという声も見かけました。
取扱説明書でもPSB-100を使うようにと書かれています。
僕自身がPSA-100で動作することを確認したとはいえ、長い時間使い続けても問題がないとは言い切れません。
よってKATANA MINIを購入する方は、やはりPSB-100を用意するの無難です。
ただしPSB-100は単品で買うと2,500円以上するので、なるべくKATANA MINIとセットでお得に買うのをおすすめします。
BOSS KATANA-MINIを使って感じたメリット
ここからは僕がBOSS KATANA MINIを実際に使って感じた良かったところについて書いていきます。
小型でも音質が良い
まず何よりのメリットは音質です。
これだけコンパクトであるにも関わらず、自宅では十分すぎるクオリティを実現しています。
CLEAN、CRUNCH、BROWNの3つのモードがあるため、音のバリエーションも豊かです。
人によって音の好き嫌いはあるとしても、超小型アンプでこれだけの音が出せれば文句はありません。
またアンプ由来のノイズはほとんど気にならないレベルです。
エフェクターの乗りが良い
さらにエフェクターの乗りが良いことも大きなメリットです。
単体でもCLEAN～BROWNまでのサウンドが楽しめますが、エフェクターとの相性の良さで可能性がさらに広がります。
エフェクターでメインの音作りをする場合、KATANA MINIはCLEANモードに設定。
ディストーションやオーバードライブの個性をつぶさずにそのまま良い音で鳴らしてくれます。
マルチエフェクターのデジタルなエフェクトもキレイにかかりました。
軽い・小さい
実際に使ってみると、小さくて軽いとその分使いやすいです。
まず部屋においてもそれほどスペースを取りませんし、移動させるのも面倒ではありません。
上に紹介したように、机に置いても邪魔にならないサイズ感です。
普通サイズのリュックには余裕で入るので、スタジオや楽器演奏可のカラオケにも気軽に持っていけます。
BOSS KATANA-MINIを使って感じたデメリット
一方、BOSS KATANA MINIの残念だった点についてもまとめておきます。
DELAYは微妙
KATANA MINIの大きな特徴である内蔵DELAYは正直いりませんでした。
上にも書いたとおりエフェクトのかかり方がキレイだとは思えず、ほとんど使っていません。
これならDELAYの機能を削って少しでも価格を下げた方がよかったと思います。
あるいはディレイではなくリバーブがあれば便利でした。
そもそもギターアンプにディレイがついているということ自体とても珍しく、あってもリバーブであることがほとんどです。
リバーブは残響音を出すエフェクトで音の広がりを大きくするのに役立ちます。
アンプ単体ではこじんまりしすぎると感じるときにはディレイではなく、やはりリバーブが便利です。
大型のスピーカーと比べると迫力は劣る
KATANA MINIのスピーカーユニットは10cm（4インチ）です。
そのため大型のスピーカーのアンプ・キャビネットと比べると音の迫力では劣ります。
例えばORANGE PPC108という8インチのキャビネットの音と比べると、空気の揺れはやはり小さいです。
とはいえ、現実問題として自宅では大きな音を鳴らせないためその差はそこまで目立ちません。
小音量で使うのであれば、KATANA MINIのスピーカーサイズが小さいことを気にしなくても大丈夫です。
「刀」がダサい
本当にどうでもよく実用面とも全く関係ないことですが、日本人からすると「刀」のロゴはダサいと感じます。
KATANA MINIは全世界に向けて開発されているため、外国の方からすれば「刀」は外国語です。
日本の伝統的な戦士であるSAMURAIが使う武器KATANAは、もしかしたらカッコよく感じられるのかもしれません。
ただ日本の文化を世界に発信出来ているという点では、少し誇らしくも感じました。
BOSS KATANA-MINI レビューまとめ
以上、エレキギター用アンプ「BOSS KATANA MINI」のレビューでした。
まとめると、KATANA MINIを実際に使って感じたメリット・デメリットは次のとおりです。
- 小型でも高音質
- エフェクターの乗りが良い
- 小さい・軽い
- DELAYは微妙
- 大型スピーカーと比べると迫力は劣る
- 「刀」がダサい
総合的な評価としては、KATANA MINIは小型ギターアンプとして間違いなく使える部類です。
サイズは小さいですが、自宅用であれば音質も音量も文句なし。
エフェクターの乗りも良いので、ディストーションなどを他に用意して音作りも楽しめます。
DELAYなど細かい不満はあるとはいえ、全体的に見れば1万円以上の価値があるアンプです。
これから初めてエレキギター用のアンプを買うという方は、ぜひ候補の1つに入れてみてください。
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