この記事では、ストラトキャスタータイプのオクターブチューニングをする方法を解説します。
ブリッジのお尻側に6本のネジがあるタイプであれば、この記事でご紹介する方法でオクターブチューニングができます。
まずは記事全体をざっくりと読んで、その後に作業するのをおすすめします。
オクターブチューニングとは
エレキギターをチューニングしても、ハイフレットでの音程がずれていることがあります。
※ハイフレット…高い音が出る12フレット以降のフレット
そこで必要なのがオクターブチューニング(オクターブ調整)です。
弦が乗っているサドルの位置を動かすことで、ハイフレットでも正確な音程が出せるようになります。
例えばレギュラーチューニングをすると6弦の開放弦と12フレットの音はオクターブ違いのEの音になっているはずです。
12フレットの音がEよりずれている場合、ハイフレットで正しい音程が出せません。
そこでオクターブチューニングの作業では12フレットの音を合わせていきます。
ストラトキャスターのオクターブ調整に必要なもの
ここでご紹介する作業の中で必要になる道具は次の2つです。
- プラスドライバー
- チューナー
プラスドライバーはブリッジのネジを回すのに使います。
ネジ穴を潰さないように、なるべくネジのサイズに合ったドライバーを使うのがおすすめです。
音程を合わせる作業なので、チューナーも用意しましょう。
オクターブチューニングでは音程を細かく調整するため、なるべく精度の高いチューナーを使うのがおすすめです。
【UNITUNE CLIP レビュー】高精度クリップチューナーの決定版 【Polytune 3 レビュー】tc electoronic製の高精度ペダル型チューナーストラトキャスターのオクターブ調整の方法
ここから、オクターブチューニングの方法を具体的に解説していきます。
作業は6弦から順番に1本ずつ作業しましょう。
以下では6弦を例に手順を解説します。
手順1.12フレットの音を確認する
まずは開放弦を普通にチューニングします。
作業は1本ずつですが、全体のバランスを取るためにチューニングだけは全ての弦でしておくのがおすすめです。
レギュラーチューニングであれば下の音程に合わせましょう。
1弦 | E |
2弦 | B |
3弦 | G |
4弦 | D |
5弦 | A |
6弦 | E |
チューニングができたら12フレットを押さえたときの音程を調べます。
本来であれば、12フレットを押さえたときの音は開放弦より1オクターブ高いEの音になっているはずです。
ここで12フレットがEの音より「高いか」「低いか」をチェックしてください。
ほとんど誤差がなければオクターブチューニングは必要ありません。
その弦はスキップして、次の弦に移ってOKです。
手順2.ブリッジのネジを回す
手順1で調べた音程のずれをもとに、調整をしていきましょう。
ストラトの場合はブリッジのお尻にあるネジを回すことで、オクターブチューニングができます。
ずれの方向と調整方法の関係は次の通りです。
- 12フレットの音が高い場合
→12フレットの音を下げる
→ネジを時計回りに回す - 12フレットの音が低い場合
→12フレットの音を上げる
→ネジを反時計回りに回す
ネジはドライバーで回すのですが、下に布などを敷くのがおすすめです。
こうすることでうっかりボディが傷つくのを防げます。
手順3.ネジを回す⇒チェックを繰り返す
ネジを回すとチューニングがズレます。
そのため、ある程度ネジを回したらチューニングをし、もう一度12フレットの音程をチェックしましょう。
思った通りの方向に修正できていれば、やり方が合っています。
このようにオクターブチューニングは1回で終わるものではありません。
下のようにサイクルを繰り返して微調整しましょう。
- ズレの方向に応じてネジを少し回してみる
- チューニングし直す
- 12フレットの音を確認
- ずれていたらまたネジを回してみる…(以下繰り返し)
開放弦と12フレットの音がほぼ同じになれば、その弦のオクターブチューニングは完了です。
次の弦に移りましょう。
【補足】オクターブチューニングは完璧にできるとは限らない
注意点として、オクターブチューニングは必ずしも完璧にできるとは限りません。
これはギターの構造の制約です。
場合によってはどこかで妥協点を見つけなければならないこともあります。
ストラトキャスターのオクターブ調整 おわりに
以上、ストラトキャスタータイプのオクターブチューニングの方法を解説しました。
ハイフレットの音程に違和感を感じている方はぜひ試してみてください。
弦交換をしたり時間が経つと、いつの間にかオクターブチューニングはまたズレてきます。
正確な音感を身につけるためにも、定期的にチェックして常に音程があった状態を保ちましょう。
ストラトタイプのギターをお使いの皆さまの参考になれば幸いです。
この記事で使用したギター:Bacchus BST-650B
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