今回はSquier(スクワイアー)のAffinity Series Telecasterのレビューです。
Amazonで購入し実際に使ってみました。
総評から書くと、3万円ながら鳴りがよく、メンテナンスさえしっかりすれば使えないことはありません。
ただ作りの甘さが目立つ部分もあり、初心者に積極的におすすめはできないというのが正直なところです。
次のような方はぜひご覧ください。
- Squierのギターの評価・評判を知りたい
- 初心者向けのテレキャスターを探している
【参考】Affinity Series Telecaster | Squier by Fender
Affinity Seriesについて
今回レビューするギターは本家Fenderの傘下にあるブランドSquierのテレキャスターです。
重要なことではありませんが、Fender直系のブランドであるため、商標として「テレキャスター」を名乗ることができます。
Squierのギターは次のシリーズに分けられます。
- Affinity Series
- Classic Vibe
- Contemporary
- Standard
- Artist Model
- Bullet
僕が購入したのはこの中のAffinity Series(アフィニティ・シリーズ)の製品です。
このシリーズのギターについては、国内では30,000円前後で新品が手に入ります。
僕はAmazon販売・発送で28,711円(送料無料)で購入しました。
Squier テレキャスターの開封と付属品
今回は通販で買ったので開封の様子も紹介したいと思います。
下のような段ボールで送られてきました。
梱包材はほとんどなく、ギターは袋に入っていました。
こちらがギター本体です。これからじっくりと紹介&レビューしていきます。
付属品は次のとおりでした。
- Squierのロゴ入りソフトケース
- メンテナンス用六角レンチ×2
- 保証規定(外国語)
- 保証書
ソフトケースはペラペラかと思ってたのですが、思ったより厚みがありました。普通に使えます。
2本の六角レンチはそれぞれ弦高調整・ネック調整に使います。白い紙は外国語の保証規定。
日本語の保証書はピックの形をしていて遊び心があります。
中には品番とシリアルナンバーが書かれています。
Squier テレキャスターの仕様
今回購入したSquier Affinity Series Telecasterの仕様は次のとおりです。
- 右利き用
- 色:バタースコッチ・ブロンド
- 21フレット
- 指板:メイプル
- ネック:メイプル
- ボディ:アルダー
- 塗装:ポリウレタン
- 3Wayスイッチ
- 1マスターボリューム、1マスタートーン
- シングルコイルピックアップ×2
色は個人的にスタンダードだと思っている「バタースコッチ・ブロンド」(Butterscotch Blonde)をチョイス。
何となく美味しそうです。ポリウレタンの塗装はツルツルしています。
指板とネックはメイプル。
ネックは「サテン・ウレタン・フィニッシュ」になっていて、サラサラとザラザラの中間くらいに感じます。塗装されている感はあまりありません。
ネックはかなり丸くて太く、レスポールに近い感触です。
ネックの形状は具体的なギターによって変わりますが、ストラトから持ち替えるとずいぶん違います。
電気系統・ハードウェアはテレキャスターとして標準的です。
3Wayスイッチの挙動は次のとおり。
- ネック側:フロントピックアップ
- センター:フロント・リア両方
- ブリッジ側:リアピックアップ
ボリュームとトーンは、フロントとリアの両方に効きます。
トーンは常に最大にしており、使ったことがありません。
この位置関係だとスイッチを操作するとどうしてもボリュームノブにも触ってしまいます。
この点はやや扱いづらく感じました。
Squier テレキャスターの良かったところ
基本的な仕様について紹介したところで、このギターの良かったところについて書いていこうと思います。
この後に細かい不満点も書いていくのですが、それを除けばAffynity Series のテレキャスターは普通に使えるギターでした。
「特にここが素晴らしい!」というポイントはないのですが、値段の割には悪くありません。
思ったよりギター全体の鳴りが大きく、アンプを通した音もパワーがありました。
僕はこれ以上に値の張るギターも持っていますが、音のクオリティそのものが大きく変わるわけではありません。
(音の傾向の違いはもちろんあります)
個人的に音の良し悪しは、ギター本体よりもアンプやエフェクターが与える影響の方が圧倒的に大きいと考えています。
よって、この3万円のギターを使ってもアンプやエフェクターでしっかり音作りができれば良い音はふつうに出ます。
当初は「ペラペラな音しか出ないのは」と思っていたのですが、その心配は無用でした。
以下、特に問題なかった部分について列挙しておきます。
- シングルコイルながらノイズはそこまで大きくはない
- オクターブチューニング、弦高調整は初期状態でできていた
- ジャック、ノブともにガリはない
- チューニングの安定感は問題なし
- 正しく鳴らないフレットはない
- ネックの反りはなし(正常)
Squier テレキャスターの良くなかったところ
そういうわけでこのギターは「3万円の普通に使えるギター」なのですが、いくつかツッコミどころもありました。
届いたときの状態がひどすぎた
Amazonでの通販ということもあってか、開封した直後の状態はあまりにもひどすぎました。
具体的には次のとおりです。
- 弦がこれでもかというくらい錆びていた
- 1弦が切れていた
- フレットもかなり錆びていた
- ボディが少し汚れていた
こちらは開封直後の写真です。特に1~3弦は真っ黒に錆びているのが写真でも分かると思います。
1弦は特に錆びきっていて、切れていました。
フレットも普通に使っていたらあり得ないくらい錆びていました。
これは届いた後に自分で磨いたらピカピカになりました。
ギターのフレットを磨く2つの方法と効果【解説】
どうしてこんな状態で届いたかというと、この製品に関してAmazonは「ギターではなく、ギターが入った箱を売っているだけだから」だと思います。
あくまで段ボールを送っているだけなので、発送前にギターの状態を確認はしていないはずです。
保管していた場所の湿度や気温、保存期間などが影響してここまで錆びてしまったのでしょう。
一方でペグやブリッジ、ノブについては曇り一つないくらいキレイな状態でした。この差は不思議です。
Amazonは返品・返金対応がしっかりしているので、申請すれば交換や返金をしてもらえたと思います。
しかし僕は面倒だったのと自分でメンテナンスできることもあって、特に申請や問い合わせはしないことにしました。
上のとおりフレットを磨いて、家にストックしてあった弦に張り替えてそのまま使っています。
ただ、全くの初心者のもとにこの状態のギターが届いたらと思うと、少しぞっとします。
初心者のうちは弦交換だけでも大仕事です。
フレット磨きは単純作業ではあるものの、丁寧にやったら1時間以上かかります。
これは「現物が見えない通販」のデメリットです。
Amazonだったので、送られてくる個体そのものの写真はありませんでした。
通販だとしても、検品してから発送するショップであればこういう問題は起きなかったでしょう。
ギターを通販で買うメリット・デメリット弦の位置がずれている
さらに僕のもとに届いた個体は弦の位置がずれているという構造上の問題がありました。
どういうことか説明します。
まずは、こちらがネックのヘッド側です。ここには何も問題ありません。
一方、ネックのボディ側では弦全体が明らかに1弦側にずれています。6弦側では端までかなりの幅がありますが、1弦ははみ出るギリギリです。
ここで問題となるのは、1弦がフレット端から滑り落ちやすくなることです。
ただピッキングするだけならそこまで気にならないのですが、ビブラートやタッピング、プリングをするとやや気になります。
この状態のギターで練習を続けたとしても、変な癖がついてしまうとか、上手くならないということはないと思います。
しかしこれからギターを始める初心者の方にはこういう状態のギターは正直すすめられません。
僕自身こういったギターに出会ったことがなく、この異変に気づいたときは驚きました。
先ほどの錆は後からいくらでも対処可能ですが、こういった構造の問題はどうしようもありません。
もちろん個体差はあると思いますが、やはり3万円のギターだと作りが甘くなるのかなと思いました。
僕はこの他に5万、6万、13万、38万円のエレキギターも所有しています。
値段が上がっても音は正直そこまで変わりません。
上に書いたように、音に関してはアンプやエフェクターの影響の方が大きいです。
しかし僕が買ってきたギターについて1つ間違いないのは、値段が高いギターほど「問題がない」ということです。
今回Squierのギターを買って、やはりそういう傾向はあるなと感じました。
Squier テレキャスター レビューまとめ
なんだかんだ悪いところの方を多く書いてきましたが、製品そのものは3万円のエントリーモデルとして悪くはないと思います。
例えば僕のもとに届いた個体であれば、フレットを磨いて弦を張り替えた後となっては大きな問題はありません。
このサイトではメンテナンス方法も多数紹介しているので、多少の問題であれば、こちらをご覧いただければ誰でも対処できます。
ただ、このギターは積極的におすすめするほどではないとも思いました。
個人的に、エレキギターは長く使うなら最低3万円、できれば5万円という基準を設けています。
なのでメインで使うつもりであれば、やはり5万円の予算を組んでほしいというのが正直なところです。
このクラスのギターになると初心者でも安心して使えると思います。
僕が所有しているギターでは、Bacchus BST650BやIbanez S420がそれにあたります。
それぞれ5万円と6万円なので、素晴らしいギターかというとそこまでは言いません。
しかし長く使えるだけの品質ではあるので、これなら初心者にもおすすめできるというわけです。
もしこの製品を買うのであれば、買い方には注意が必要です。
僕のように「現物の写真がなく、検品もしない通販」で買うのは色々リスクがあるのでおすすめしません。
(自分で問題に対処するのが難しい初心者の方は特に)
一番いいのはやはり楽器店で直接見て、手にとってから買うことです。
まともな楽器店であれば買う前に検品はしてもらえますし、フレットや弦が錆だらけなんていう問題はあり得ません。
Squierのギターは広く流通しているはずなので、大きな楽器店なら大体見つけられるでしょう。
もし通販で買うなら次の条件を満たすところで買うのをおすすめします。
- 現物の写真が掲載されている
- 検品してから発送してくれる
- 購入後の保証もある
以上、Squier Affinity Series Telecasterのレビューでした。
Squierのテレキャスターが気になっている方の参考になれば幸いです。
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