今回はD’Addario(ダダリオ)のクリップチューナー「Micro Headstock Tuner PW-CT-12」のレビューです。
(以下、PW-CT-12)
PW-CT-12はギターやベースのヘッドに取りつけられるクリップチューナーです。
最大の特徴はその小ささと軽さ。
クリップチューナーはどれも小型で軽いとはいえ、その中でもPW-CT-12ほど小さく軽いモデルはありません。
1,500~2,000円と安価ながら実は精度も高く、画面反転や基準音調整などの機能も備えています。
音への反応も良好。
特に小ささと機能を求める方におすすめしたいチューナーです。
- 最小・最軽量
- 高精度チューナーと遜色ない反応
- 画面の向き変更で様々なシチュエーションに対応
- 基準音を410~480Hzに変更可能
- 他の製品と比べると付けやすさは劣る
- 画面が小さいため視認性も劣る
ブランド名が「D’Addario」ではなく「Planet Waves」となっている場合がありますが、どちらも同じ製品です。
D’Addario PW-CT-12の基本仕様
まずはD’Addario Micro Headstock Tuner PW-CT-12の基本的な作りから見ていきましょう。
大きく分けるとPW-CT-12は画面とクリップの2つからなります。
正確にはクリップとは呼べないかもしれませんが、ここでは分かりやすさを重視してクリップと呼ぶことにします。
画面サイズは実測で19mm×7mm。
最小サイズのチューナーということもあって、画面もその分小さくなっています。
そのため他のチューナーと比べると視認性は高くありません。
これは1つの欠点ではあるものの、音名のアルファベットとメーターは十分読み取れます。
PW-CT-12のクリップには、プラスティック製のロック機構が採用されています。
この手のチューナーは洗濯バサミ式のクリップを採用していることが多いため、ここもユニークな点の1つです。
写真で印をつけた部分を押し込むと、ロックが緩んで間隔を調整できます。
幅は9mm~20mmまで調整可能。
普通のギターやベースのヘッド幅には問題なく対応できます。
一般的なクリップ式と比べると片手で取りつけづらいのはデメリット。
最初は付けづらく感じるかもしれませんが、何度も使っているうちに片手でも問題なく着脱できるようになります。
実用性はありませんがクリップは画面から取り外せます。
重さは電池込みで14g。
これはクリップチューナーの中では最軽量です。
ディスプレイの薄さが特徴の「KORG Pitchclip 2」の17gをさらに下回ります。
当然ながら楽器に取りつけても何の重みも感じられません。
ここまで小さいサイズながら、PW-CT-12には4つのボタンがあります。
- 電源ON・OFF
- 基準音調整+1Hz
- 基準音調整-1Hz
- ディスプレイの向き変更
詳しい機能については後ほど紹介。
ディスプレイの後ろ側が電池スロットになっています。手だけで電池を出し入れできるのは便利。
駆動にはCR2032型のボタン電池を使います。
基本的にクリップチューナーにはCR2032型の電池が使われます。
D’Addario PW-CT-12の反応と精度
D’Addario PW-CT-12が音を検知すると、一番近い音のアルファベットが表示されます。
左右に青いマークが同時についたらチューニング成功。
音への反応は良好。
表示は素早いですし、違う弦の音に反応することもありません。
この辺りは当たり前ですがチューナーとしては問題なく使えるクオリティです。
PW-CT-12は1,500~2,000円という値段ながらかなり精度が高いです。
最小±0.02セントの高精度を誇るUNITUNE CLIPと同時に使ってもほぼ変わらない反応を示しました。
PW-CT-12の精度は公表されていないものの、実際のところはかなり追い込んだチューニングができます。
【UNITUNE CLIP レビュー】高精度クリップチューナーの決定版D’Addario PW-CT-12の機能
D’Addario PW-CT-12には次の3つの機能が備わっています。
- 画面の向き変更
- 基準音調整
- オートパワーオフ
画面の向き変更
PW-CT-12では画面の表示を縦横4通りに回転できます。
音名のアルファベットとメーカーの向きが柔軟に変えられるので、
- 左利きのギターやベースを使う
- ヘッドの裏に取りつける
といった場合でも見づらくなることはありません。
画面の向きは、先ほど紹介したボタンを押していくことで順番に切替可能。
次の2パターンは右利き用のギターの表に取り付ける場合に向きます。縦でも横でも見やすいです。
一方、次の2つは左利きやヘッドの裏に取り付ける場合に見やすくなるパターンです。
基準音の変更(キャリブレーション)
PW-CT-12ではチューニングの際に基準となる音を410Hz~480Hzの間で1Hz刻みで変更できます。
普通にギターやベースを弾く分には基準音A4は440Hzを使います。
そのため低価格のクリップチューナーでは基準音が440Hzで固定されているものがほとんどです。
一方、楽器の種類や地域によっては440Hz以外が使われることもあります。
そんなとき必要になるのが「基準音調整機能(キャリブレーション機能)」です。
PW-CT-12の特にすごいところは調整の幅です。
調整ができる機種でも440Hzから±10Hz程度のことが多いですが、PW-CT-12では70Hzもの調整幅が用意されています。
これは他の機種と比べたときの長所の1つです。
オートパワーオフ
PW-CT-12には「オートパワーオフ機能」が実装されています。
これは電源を入れてから10分後に自動的に電源がOFFになる仕組みです。
使った後電源を消し忘れて電池を無駄にせず済みます。
個人的には10分は長すぎで、もう少し短くてもいいと思いました。
何分もチューニングし続けることはまずないので、多くのクリップチューナーと同じく3分くらいが丁度いいです。
D’Addario PW-CT-12の取りつけ
最後に、D’Addario PW-CT-12を様々なギターに取り付けた様子をご紹介します。
実際に試してみたところ、普通のギターには問題なく取り付けられました。
ヘッドのどこかに固定できれば、あとは首振りで見やすい角度に調整できます。
以下、代表的なギターのヘッドに取り付けた様子です。
ストラトキャスタータイプ
レスポールタイプ
テレキャスタータイプ
Ibanez共通の尖ったヘッド
Paul Reed Smith共通の狭いヘッド
エレキベースとアコースティックギター
D’Addario PW-CT-12 レビューまとめ
以上、クリップチューナー「D’Addario Micro Headstock Tuner PW-CT-12」のレビューでした。
まとめるとメリット・デメリットは次のとおりです。
- 最小・最軽量
- 高精度チューナーと遜色ない反応
- 画面の向き変更で様々なシチュエーションに対応
- 基準音を410~480Hzに変更可能
- 他の製品と比べると付けやすさは劣る
- 画面が小さいため視認性も劣る
PW-CT-12はサイズ感と機能性に特化したクリップチューナーと言えます。
どこにつけても邪魔になることもなく、機能面でも不足ありません。
一方、サイズが小さいことで付けやすさと視認性が犠牲になっているのはデメリット。
ここは他のチューナーと比べると劣りますが、実際に使ってみるとそこまで気にはなりません。
総合するとクリップチューナーとしては間違いない製品の1つです。
小ささと機能の両方を求める方には特におすすめします。
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