今回はクリップチューナー「KORG Pitchclip 2」のレビューです。
Pitchclip2は標準的なクリップチューナーです。
奇をてらわないデザインは使いやすく、最低限求められる機能を備えています。
価格は1,000円とリーズナブル。
安価なチューナーということもあり、高価格帯のチューナーと比べると精度は高くはありません。
それでも普段軽くチューニングする分には十分使えます。
「ギターを始めるついでに1つクリップチューナーを用意しておきたい」という方にはベストな選択の1つです。
このレビューでは主にギタリスト目線からPitchclip 2の特徴を紹介していきます。
クリップチューナーのおすすめ【初心者用から高精度モデルまで】Pitchclip 2の基本仕様
まずはKORG Pitchclip2の基本的な作りから紹介します。
Pitchclip2は標準的なクリップ式チューナーで、画面とクリップ部の2つからなっています。
画面部分が5mmほどの薄さなのが特徴です。
画面サイズは実測で5cm×2.4cm。
縁(ふち)はほとんどなく、画面全体を使って音程が表示されます。
画面はクリップ部に対して120度まで起き上がります。
とてもシンプルな作りですが、ギターやベースのヘッドに取りつけるのであればこの可動範囲だけでも十分です。
120度より先へ動かそうとすると壊れるので注意してください。
クリップはよくある洗濯ばさみ風。
挟む部分はシリコンらしい素材でできています。
ラッカー塗装に対して一時的に取りつけても問題はありませんでした。
ただし跡が残るのを避けるために、どんな楽器に対しても長時間付けっぱなしにするのはやめておきましょう。
重さは電池込みで17g。
画面が薄いということもあって、Pitchclip2はクリップチューナーの中でも特に軽い部類です。
持ち運び・取り付け時に重みが気になることは全くありません。
素材は主にプラスティック。
流石に高級感はありませんが、サラサラしたマットな触感になっているのは工夫が感じられます。
Pitchclip2で操作できる部分は画面後ろのボタンは1つのみ。
このボタンで電源をON・OFFします。
操作に長押しは必要なく、普通に1回押すだけで大丈夫です。
Pitchclip2の電池はカバーをスライドさせると出し入れできます。
工具なしでも手でカバーを外せるのは便利です。
親指をくぼみに押し付けながら当ててスライドさせれば簡単に開けます。
使うボタン電池は「CR2032型」。
基本的にクリップチューナーはこの型の電池を使います。
最大で24時間の連続使用が可能。
これは理論上の話なので実際にはそこまで持ちませんが、クリップチューナーの電池というものは相当長い間持ちます。
Pitchclip 2の機能
続いてKORG Pitchclip 2のより詳しい機能面について紹介していきます。
上下反転表示
Pitchclip 2には「画面の上下反転機能」があります。
まず、普通に電源を入れたときの状態がこちら。
右利き用のギターに普通に取り付ける場合はこの表示が見やすいです。
ボタンを1秒長押しして電源を入れると表示が上下逆さまになります。
この反転モードを使えば、左利きのギターやベースでも逆さまになりません。
チューナーをヘッドの裏に取り付ける場合にも反転モードが便利です。
1,000円前後という安価な製品ながら、Pitchclip 2にはこういうかゆいところに手が届く機能もあります。
基準音A4は440Hz固定
Pitchclip 2では、基準音となるA4の周波数は440Hzで固定です。
普通にギターやベースをチューニングする場合、基準音は440Hzで問題ありません。
補足:基準音について
楽器の種類や地域、音楽ジャンルによっては他の周波数が使われることもあります。
そこで便利なのが基準音を442Hzや444Hzに変更できる機能です。
チューナーにはそういった基準音調整機能(キャリブレーション機能)を持った製品もあります。
例えばtc electronicのUNITUNE CLIPはそういった製品の1つです。
440Hz以外の周波数に合わせたい方は、Pitchclip 2ではなく基準音調整ができる製品を選んでください。
【UNITUNE CLIP レビュー】高精度クリップチューナーの決定版オートパワーオフ機能
Pitchclip 2には「オートパワーオフ」機能があります。
これは電源をONにしてから3分経つと自動的にOFFになる仕組みです。
うっかり電源を消し忘れて電池を消耗するということがありません。
現状こういった省電力機能はほとんどのチューナーに実装されています。
Pitchclip 2の反応と精度
チューナーとして大事なのは音への反応とチューニングの精度です。
音への反応は問題なし
Pitchclip 2は鳴らした音に対して素早く・正確に反応します。
ヘッドにしっかり固定すれば鳴らした弦の音だけを検知し、その倍音を拾ってしまうこともありません。
音程が合うと左右の赤いLEDが点滅するのが見やすいです。
この辺りはチューナーとして問題なく使える作りになっています。
精度は普通(±1.0セント)
Pitchclip 2のチューニングの精度は安価なチューナーとしては並レベルです。
仕様上の誤差は±1.0セント。
公表値に差はあっても、低価格帯のチューナーの精度はどれも同じくらいです。
普段ちょっとチューニングする分には問題ありませんが、高精度なチューナーと比べると音程が甘くなります。
普段から音程にこだわる方、大事なライブの際に使う方にはやはり高精度な製品がおすすめです。
Pitchclip 2の取りつけ
Pitchclip 2のクリップは標準的な洗濯バサミタイプなので、取りつけは簡単です。
およそ1cm四方のスペースがあれば十分に固定できます。
1cm×2cmの長方形を広く使えればさらに安定。
以下、色々なタイプのギターやベースに取りつけた様子をご紹介します。
どの場合でも全く問題なく取りつけ・固定できました。
ストラトキャスタータイプ
レスポールタイプ
テレキャスタータイプ
Ibanez共通の尖ったヘッド
Paul Reed Smith共通の狭いヘッド
エレキベースとアコースティックギター
上位機種Pitchclip 2+について
今回レビューしているPitchclip 2の上位機種として「Pitchclip 2+」があります。
こちらは値段が2,700円くらいまで上がる代わりに、
- 仕様上±0.1セントの精度(Pitchclip 2の10分の1)
- 基準音の調整(キャリブレーション機能)
- 角度調整の柔軟性アップ
- 細かい音程まで追い込めるストロボ表示
など多数のアップグレードがなされています。
Pitchclip 2+は実際には購入していないため、ここでは紹介程度に留めます。
兄弟機ということで、求める機能によってはこちらもチェックしてみてください。
Pitchclip 2 レビューまとめ
以上、クリップチューナー「KORG Pitchclip 2」のレビューでした。
大体の製品には何かしら欠点がつきものですが、本機Pitchclip 2はシンプルで安価な製品ということもあり特に不満のない製品です。
値段も1,000円程度と安いので、ギター初心者が最初に揃えるチューナーとしてなら自信を持っておすすめできます。
よほど精度にこだわりたくなるまで長く使えますし、サブで持っておいても損はありません。
一方で高精度や基準音調整が必要な方にはもの足りない製品なのも事実。
その場合は「UNITUNE CLIP」や「Pitchclip 2+」といった上のクラスのチューナーをチェックしてみてください。
「最初から良いものを買っておきたい」という方にも上記の製品をおすすめします。
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