今回はSIT Strings製のエレキギター弦「POWER WOUND NICKEL」シリーズのレビューです。
(以下、簡単にSITと表記します)
SITの最大の特徴は「Stay In Tune」の名のとおりチューニングが安定していること。
500~600円で買える弦の中では寿命も長めです。
丸くてまろやかな音質とツルツルした感触は好みが分かれるかもしれません。
普段ダダリオのEXLやアーニーボールをお使いの方はぜひ一度試してみてください。
- チューニングの安定感に優れる
- 寿命は長め
- 音はまろやかで、ギラギラしていない
- 表面は比較的ツルツル
SITの弦について
SIT(Stay In Tune) Stringsはアメリカのオハイオ州に本社を置く会社です。
エレキギター・ベース弦を中心に楽器用のアクセサリ、メンテナンスグッズを多く開発しています。
【参考リンク】SIT Strings 公式
今回レビューする「POWER WOUND NICKEL」はSIT Stringsのエレキギター弦シリーズの1つです。
アメリカで手作りされています。
通販での価格はおよそ500~600円。
通販よりも割高にはなってしまうものの、大きな楽器屋には大体置いてある印象です。
エレキギター弦の定番であるダダリオEXLやアーニーボールと大差ありません。
よってSITは特別な弦というわけではなく、気軽に試せるリーズナブルな弦です。
ゲージは0942や1046など標準的な太さから、変則的な太さまで多数ラインナップしています。
パッケージはビニールで密封されているため長期の保管にも向きます。
弦は2本ずつ紙の袋に入っています。
1つの袋に2本入っているものの、プレーン弦と巻弦がペアになっているので間違うことがありません。
例えばこちらは3弦(プレーン弦)と6弦(巻弦)のペアです。
ボールエンドは全てブラス(金色)で統一されています。
SITの弦の特徴
続いてはSITのエレキギター弦について、実際に使った感想を中心に書いていきます。
チューニングの安定感
SITのエレキギター弦の一番のメリットはチューニングの狂いづらさです。
同価格帯のダダリオEXLやアーニーボールと比べると安定しています。
「Stay In Tune」の名は伊達ではありません。
チューニングの安定感だけで見ればダダリオの高級弦「NYXLシリーズ」といい勝負だと感じました。
【ダダリオNYXL弦レビュー】高音質&錆びにくい高級弦
ただしSITのメリットを活かすにはエレキギターそのものがきちんと調整されていることが大前提です。
ギターのメンテナンスが不十分だと、どんな弦を張ってもチューニングは安定しません。
チューニングが安定しない原因は色々ありますが、まず疑いたいのは「ナットの摩擦」です。
ナットの溝の滑りが良くないと、チョーキングやアーミングの度にチューニングがどんどんずれてしまいます。
そこで役立つのが「ナット潤滑剤」です。
SITを張ってもチューニングが安定しない場合はナット潤滑剤によるメンテナンスを試してみてください。
ギターのチューニングが安定しないときの対処法:ナット潤滑剤を使う音質
音質の傾向としては丸みを帯びてまろやかです。
張りたてのダダリオEXLやアーニーボールのような強烈なギラギラ感はありません。
SITは張った直後から主張の少ない落ち着いた音色になっています。
弦の表面もツルツルしており、その点ではエリクサーに似た印象を受けます。
SITの弦にはこれといってデメリットや不満はないのですが、音質と触感については人によって好みが分かれるところでしょう。
【エリクサー弦レビュー】錆びにくく長寿命なコーティング弦寿命
SITは500~600円のリーズナブルな弦にしては寿命は長めです。
ダダリオEXLやアーニーボールがザラザラしてくる時期でも、SITはまだツルツル感が残っています。
フレットに当たる部分が黒ずんではくるものの、触感はそこまで変わりません。
1日に30分程度しか弾かないのであれば、1~2ヶ月は余裕で使える印象です。
人によってピッキングの強さに差はありますが、僕が使った限りでは切れてしまうこともありませんでした。
もちろん、弦の寿命をなるべく伸ばすには日頃からしっかり拭くなどの手入れは必須です。
SIT エレキギター弦 レビューまとめ
以上、SITのエレキギター弦「POWER WOUND NICKEL」シリーズのレビューでした。
特徴をまとめると次のとおり。
- チューニングの安定感に優れる
- 寿命は長め
- 音はまろやかで、ギラギラしていない
- 表面は比較的ツルツル
エレキギター弦の中では間違いなくおすすめできる製品の1つです。
値段も通販であれば500~600円とリーズナブルなため、気になった方はぜひ一度気軽にお試しください。
SITの大きなメリットであるチューニング安定を活かすためにはギターそのものの調整が不可欠です。
現状チューニングの安定性に不満がある方は、SITを試す前にナット潤滑剤を試すのをおすすめします。
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