今回はオープン型ヘッドホン「SENNHEISER HD598」のレビューです。
現在HD598の生産は終了していますが、長く親しまれたヘッドホンということでレビューしておくことにします。
僕自身も2012年に購入してから愛用してきました。
中古品を狙っている方などの参考になればと思います。
HD598の外観
HD598を開発したSENNHEISER(ゼンハイザー)はドイツのオーディオ機器メーカーです。
イヤホンやヘッドホンが日本でも広く流通しており、オーディオ好きであれば知っている方は多いでしょう。
SENNHEISERのヘッドホンは「HD」という型番でシリーズ化されています。
今回レビューするHD598はそのラインナップの1つ。
現在は生産が終了してしまいましたが、SENNHEISERの主力ヘッドホンの1つとしてかなりの知名度があった印象です。
まずはHD598の外観から見ていきましょう。
ヘッドホンと言えばブラックを基調としたイメージがある中、HD598はユニークな見た目になっています。
優しいクリーム色をベースとして茶色が差し色になっていることから、「プリン」の愛称で親しまれてきました。
車の内装にもありそうな、ヘッドホンらしからぬデザインが目を引きます。
HD598はオープン(開放)型のヘッドホンです。
ハウジング(耳を覆う丸いパーツ)が密閉されていないのが分かるでしょう。
メッシュ状の側面から空気が出入りするため、音の広がりが生まれ、聞き疲れしにくくなっています。
内側に見えるSENNHEISERのロゴもクール。
オープン型に対して、ハウジングが密閉されているタイプを「クローズド(密閉)」型といいます。
写真はモニターヘッドホンとして有名なSONY MDR-CD900ST。
密閉型には外部の音をシャットアウトすると同時に、音漏れしにくいというメリットがあります。
HD598を使っていて特に感じるメリットは装着感の良さです。
僕は頭が大きくメガネをかけてもいるのですが、着けていることを忘れるほど違和感がありません。
その装着感に特に貢献しているのがイヤーパッドです。
耳をすっぽりと覆うほど大きく、フカフカしています。
眼鏡のつる(テンプル)と触れている感覚も全くありません。
スライダーの可動域はヘッドホンの中では広い方です。
直線距離でおよそ5.5cm調整可能。
これだけ可動範囲があれば相当大きな頭にも対応できます。
ヘッドバンドにも厚めのクッションを採用。
クッション部分には合皮のような素材が使われており、ここからも高級感を感じます。
ケーブル抜きで重さは246g。
HD598はリケーブル可能
HD598のケーブルは左側のハウジングから着脱できます。
プラグを差し込んでからひねると固定されるため、よほど強い力がかからないと外れません。
リケーブルすれば断線にも簡単に対応できます。
付属のケーブルは3m。
ケーブルのハウジング側には珍しい2.5mmミニミニサイズを採用。
プレイヤーに挿す方は6.3mm標準サイズですが、これは付属のアダプタで3.5mmに変換できます。
アダプタは太めなので、例えばスマホのケースなどと干渉することがあります。
ここがたまに困るポイントでした。
3mのケーブルが長すぎるときに便利なのが別売りの1.3m程度のケーブル。
こちらは3.5mmステレオミニサイズを採用しているため、イヤホンジャックにそのまま使えます。
HD598の音質
音質についての感想としては、HD598は静かな音楽のリスニングに向く印象です。
装着感の良さ、開放型ならではの聞き疲れのしにくさ、といった特徴が優しい曲調にマッチします。
特にボーカルが際立って聞こえるように思います。
一方で、メタルなど攻撃的なジャンルでは迫力が今ひとつと感じることもしばしば。
音にトゲトゲしさがないため、ラウドで激しい曲はあまり向かないと思いました。
多少の向き不向きはあるものの、HD598はリスニング用ヘッドホンとしては間違いなく優秀です。
「安物のヘッドホンからのステップアップ」にはちょうどいい製品と言っていいでしょう。
HD598は楽曲制作のモニター用ヘッドホンとしては使いづらいです。
やんわりと包み込まれたような音であるため、繊細でフラットな表現やノイズチェックは苦手。
HD598をモニター用として買う人はいないと思いますが、一応参考までに。
HD598 レビューまとめ
以上、オープン型ヘッドホン「SENNHEISER HD598」のレビューでした。
つけ心地が最高で、静かな音楽のリスニングにはうってつけの製品です。
ユニークなデザインは人を選ぶかもしれませんが、刺さる人には刺さるでしょう。個人的にはとても気に入っています。
既に書いたようにHD598はすでに生産終了しており、現在は同じくHDシリーズとして後継機が販売されています。
しかし今からでも安く手に入る中古品狙うのは大いにアリだと思います。
中古品であれば、ある程度エージングが進んでいることも期待できるでしょう。
ヘッドホンにおいては「新しい製品=良い製品」とも限らないため、気になる方はフリマなどをチェックしてみてください。
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