【BOSS MT-2W Metal Zoneレビュー】肉汁あふれる技Craft版メタルゾーン

BOSS MT-2W

今回は、BOSSのコンパクトエフェクター「Metal Zone MT-2W」のレビューです。

本機はオリジナルのメタルゾーン「MT-2」をWAZA CRAFTシリーズとしてブラッシュアップしたもの。

濃密な歪みがとても気持ちいいエフェクターです。

カラッとした音は苦手ですが、ズンズンと迫るような密度の高い音を求める方にはおすすめできます。

MT-2Wが気になっている方はぜひご覧ください。

BOSS MT-2Wの基本使用

まずはMT-2Wの基本的な情報から見ていきます。

WAZA CRAFTシリーズの1つ

BOSSには既存のエフェクターを改良した製品群としてWAZA CRAFTシリーズがあります。

例えば今回レビューするMT-2Wのオリジナルは、1991年から製造され続けているMT-2(末尾のWがない)です。

他にもBlues Driver BD-2のWAZA CRAFT版としてBD-2Wがあります。

BOSSのコンパクトエフェクターは台湾製が多い中、WAZA CRAFTシリーズの製品は全て日本製です。
(MT-2Wと同じ価格帯のDS-1Xも実は台湾製)

BOSSのコンパクトエフェクターは基本的に5年保証であり、もちろんそれはWAZA CRAFTでも同じです。

BOSS MT-2Wの箱

BOSSの標準的なサイズ

MT-2WはBOSSの標準的なエフェクターと同じサイズです。

BOSS MT-2Wのサイズ比較

 

重さは電池なしで392g。

BOSS MT-2Wの重さ

機能が多いためかDS-1やBD-2(ともに330g弱)と比べると少しだけ重いです。

2軸EQとS/Cスイッチ

MT-2WのEQ(イコライザ)は2つのツマミが1つになった2軸タイプです。

BOSS MT-2Wのツマミ

 

2軸の仕様はオリジナルのMT-2でも同じでした。

これによってMT-2Wのツマミは、全部合わせると6個ついています。

  1. LEVEL
  2. HIGH(細)
  3. LOW(太)
  4. MIDDLE(細)
  5. MID FREQ(太)
  6. DIST
    (左から順に)

 

これに加えてMT-2Wには2つのモードを切り替えるスイッチがあります。

BOSS MT-2WのSCスイッチ

  • S(STANDARD):オリジナルであるMT-2を新しい設計の回路で再現したモード
  • C(CUSTOM):オリジナルをベースに改良したモード
(音質については後述)

BOSS MT-2Wの音質と調整

BOSS MT-2W

ここまではMT-2Wの基本的なスペックについて見てきました。

続いて肝心の音質についてレビューしていきたいと思います。

僕はオリジナルMT-2は使ったことはありません。オリジナルとの比較ではなく、1つのエフェクターとしての使用感になります。

歪みの質感について

STANDARDモードの歪みはジャリジャリ荒いです。

思いっきり歪むのが気持ちいい一方で、聞きようによっては中音域のふくよかさが足りずに寂しいという欠点もあります。

それを補って濃密な音を実現したのがCUSTOMモード。

その音はまるで肉汁がほとばしるようで、間違いなく使える部類のディストーションです。

MT-2Wの本領はやはりCUSTOMモードであり、この音が気に入るかどうかがMT-2Wを使うかどうかを分けるポイントだと思います。

 

関連してDISTツマミの効き具合について。

メタルゾーンという名前からは、まるでメタルにしか使えないエフェクターであるかのような印象を受けます。

しかし実際使ってみるとそんなことはありませんでした。

確かに12時以降は歪みの変化量が少ないこともあり、全体として深い歪みなのは間違いありません。

一方、DISTを抑えるともっと落ち着いた音にもなります。

 

総合すると、どちらのモードでも深い歪みを得意分野としています。

カバーする歪みの範囲は狭くはないとしても、万能選手とも言えません。

特にカラッとした音を出すには全く向きませんが、ズンズン迫る密度の高い音なら得意分野です。

EQの効き具合について

EQの感想を一言で書いてしまうと、全部12時が一番使いやすかったです。

まずは全部12時というセッティングを決め打ちで使い、そこから調整していっています。

上に書いたとおりMT-2Wの本来の音は素晴らしいのですが、EQの効きに関してはそれほど使いやすい部類だとは思いませんでした。
(僕が使いこなせていないだけかもしれませんが)

 

HIGHはやたら効きます。上下に振り切ると、どうやって使ったらいいか分からないくらい効きます。

LOWの効きは可もなく不可もなく、普通。

 

ちょっと説明が必要なのがMIDDLEMID FREQの2つ。

まずMIDDLEは、MID FREQで指定された帯域をカットまたはブーストするツマミです。

MID FREQはMIDDLEで調整する帯域を指定します。範囲は200Hz~5000Hz。

逆に言うと、MIDDLEを12時にしていると、MID FREQをいくら変えても音は変わりません。

なぜなら、MIDDLE12時ではカットもブーストもしないからです。

MIDDLEの使用感については、やはり基本は12時でいいと感じます。単なるMIDDLEではなく帯域を指定するタイプなので作り込める一方で難しくもあります。

BOSS MT-2W 総評:濃密な歪みを求めるならおすすめ

BOSS MT-2W

以上、BOSSのコンパクトエフェクター「Metal Zone MT-2W」のレビューでした。

ディストーションとしては個人的にBOSS DS-1Xがお気に入りなのですが、MT-2WはDS-1Xではカバーしきれない密度の高い音が出せるので気に入っています。

STANDARD、CUSTOMの2モードを実装しているので、オリジナルのMT-2が気に入っている方にも改めてチェックしてもらいたいです。

カラッとした軽めの歪みを求める方にはあまり向きません。そういう場合はemma electronicの「ReezaFRATzitz 2」などの方がおすすめです。

ちなみに、MT-2Wがおよそ15000円、オリジナルMT-2がおよそ9000円です。

そこまで価格差が大きくないことを考えると、今から新品を買うのであれば改良版であるMT-2Wでいいのではと思います。

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