今回はデジタル式のメトロノーム「BOSS Dr.Beat DB-30」のレビューです。
手のひらサイズの小さなボディとは裏腹に、数多くの機能やギミックが詰め込まれています。
先に長所・短所を挙げると下記のとおり。
- 手のひらサイズで扱いやすい
- 9リズム、24パターンを搭載
- イヤホン出力、音量調整など多数の機能あり
- 平らな場所でグラつく
コンパクトサイズのデジタルメトロノームとしては間違いなく使える1台です。
3,500円と安くはないものの、安物買いの銭失いをしたくない方はぜひチェックしてみてください。
BOSS DB-30について
BOSS DB-30についての基本的な情報は次のとおり。
価格 | 3,500円前後 |
製造 | 中国 |
メーカー保証 | 1年 |
サイズ(mm) | 60×90×17 |
重さ(電池込) | 64g |
BOSSのデジタルメトロノームは「DB」という型番でシリーズ化されています。
今回レビューするDB-30はそのラインナップの1つ。
同シリーズには機能面でさらに優れた「DB-90」もあります。こちらはおよそ14,000円。
DB-30の付属品は本体、取扱説明書、箱の3つ。
本体のサイズは実測でおよそ6.0×9.0×1.7cm。手のひらにすっぽり収まるコンパクトサイズです。
ディスプレイのサイズは4.2×1.9cm。
メトロノームの設定は全てここに表示されます。
細かい設定項目はかなり小さく表示されるため、老眼だと読み取るのに苦労するかもしれません。
ボディはプラスティック、ボタンはシリコン製。
重さは電池込みでも64gと見た目以上に軽いです。
電池は裏面から出し入れします。
「CR2032」型のボタン電池を使用。
これはクリップチューナーなどにもよく使われるタイプです。
メトロノームとしての機能
ここからはBOSS DB-30のメトロノームとしての機能について見ていきましょう。
操作方法を1つひとつ説明すると長くなるので、「DB-30で何ができるか」を中心に紹介します。
電源と保存
「POWER」ボタンで電源をON・OFFします。
ボタンを押した瞬間に立ち上がるので毎回ストレスフリー。
電源をOFF→ONにしてもほとんどの設定が保存され、次にONにしたときも同じ設定で立ち上がります。
60分経つと自動でOFFにするオートパワーオフ機能も搭載。電池のムダな消耗を予防できます。
(この機能は解除することも可能)
テンポ変更
DB-30で扱えるテンポはBPM30~250です。
よほど特殊な使い方をしない限りこの範囲で十分カバーできるでしょう。
テンポを変える方法は次の2通りあります。
- TEMPO/VALUEボタン
- TAP/MUTEボタン
まず、「TEMPO/VALUEボタン」を押していくとテンポを1ずつ変更可能。
基本的にはこのボタンで調整することになるでしょう。
長押しすると一気に変えることもできます。
もう1つが「TAP/MUTE」ボタンを使う方法。
2回ボタンを押すと、その間隔でテンポを設定できます。
ざっくりとテンポを指定するならこちらの方が早いです。
DB-30で設定できるリズムとビートは下記。
- リズム:9パターン
- ビート:24パターン
これだけ多くのパターンを実装できるのはデジタルならではのメリットです。
個人的にはシンプルな使い方しかしないため、ほとんどのパターンは使わず持て余しています。
基準音を鳴らす機能
BOSS DB-30には基準音を鳴らす機能もついています。
C4(ド)~B4(シ)の1オクターブ、12音階に対応。
例えば、こちらは基準音をCに設定した様子です。
438~445Hzの範囲で1Hzずつピッチ(細かい周波数)の調整も可能。
440Hz以外のピッチを設定することで特殊な楽器のチューニングなどにも対応できます。
その他の機能
以上、BOSS DB-30のソフトウェア面の機能について見てきました。
ここからはその他の便利な機能や特徴についてチェックしていきましょう。
側面
ボディ側面は左右ともに握りやすい溝があります。
握るように持つと指にジャストフィットします。
メトロノーム・基準音のボリュームは側面のダイアルで調整。
音量調整はアナログにはない、デジタルならではの機能です。
ギリギリ聞き取れる静かな音から、部屋の中だとびっくりするくらい大きな音まで出せます。
ただし大音量の楽器の中だと流石に埋もれてしまうでしょう。
日本の住宅事情を考えると、どちらかというと音量を絞れるのがメリットだと思います。
ダイアルは固すぎず緩すぎず、ちょうどいいポイントに設定しやすいです。
3.5mmステレオミニ(イヤホン)ジャックを搭載。
DB-30から鳴る音をイヤホンヘッドホンから聞くこともできます。
もちろん、このときスピーカーから音は鳴りません。
標準プラグのヘッドホンでもアダプタを使えばDB-30のジャックに接続できます。
イヤホン・ヘッドホンのプラグを変換する方法【アダプタを使う】裏面
本体上側に穴はストラップを通すのに使います。
個人的に使う機会はないのですが、近くに置き場所がないときストラップで首にかけるという使い方が可能。
譜面台に固定するためのクリップ。
下の方のスキマにコインを入れるとスタンド代わりになり、DB-30本体を自立させられます。
50円玉と100円玉の厚さだとスキマにちょうどフィットしました。
1円、5円、10円だと薄すぎて不安定になり、500円玉だと厚すぎて入りません。
一応スタンドにはなりますが安定性はそこまで高くはないため過信は禁物。
あくまでおまけの機能と考えるのがいいでしょう。
BOSS DB-30のデメリット
BOSS DB-30を実際に使って感じた唯一のデメリットは「平らな場所に置くとグラつくこと」です。
DB-30の裏面にはクリップがついているため、平面ではありません。
(クリップがなければほぼ平面)
そのため机などに置いてボタンを押すと、そのたびにガタガタ動くことになります。
机に置いたときもすぐに安定しません。
ここがちょっと使いにくいポイントだと思いました。
クリップは主に譜面台に挟むための仕組みですが、個人的にはそういった使い方はしないので全くもって不要です。
クリップが取り外し可能ならさらに便利でした。
BOSS DB-30 レビューまとめ
以上、デジタルメトロノーム「BOSS DB-30」のレビューでした。
もう一度特徴をまとめると次のとおりです。
- 手のひらサイズで扱いやすい
- 9リズム、24パターンを搭載
- イヤホン出力、音量調整など多数の機能あり
- 平らな場所でグラつく
総合するとBOSS DB-30はデジタルメトロノームとしてよく練られた製品です。
小さくまとまっていて持ち運びやすく、手元での操作も簡単。
メトロノームに求められる機能も広くカバーしており、シンプルな使い方ならむしろ持て余すくらいでしょう。
3,500円という価格はこの手のメトロノームとして安くはありませんが、それを納得させるだけの機能があります。
安物買いの銭失いをしたくない方には特におすすめの製品です。
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