TAB譜とは何か:読み方とあわせて解説

TAB譜の例

この記事では、TAB譜(タブふ)とは何か、そしてその読み方を解説します。

TAB譜とは、五線譜(ごせんふ)が読めなくても読めるギター用の楽譜のことです。

TAB譜を読めるようになれば、初心者でもすぐに曲の練習を始められます。

読み方はとても簡単なので、ぜひ覚えてみてください。

TAB譜とは何か

まずはTAB譜とは何か、という話から始めます。

楽譜というと、下のような五線譜が一般的です。

一般的な五線譜

これを見てギター初心者がいきなりそのとおり弾けるかというと不可能でしょう。

それぞれの音符がどの音を表していて、ギターの指板上のどこに対応しているかが分からないからです。

「五線譜を見てギターですぐに弾く」ためには、かなりの訓練が必要になります。

上の五線譜は「ドレミファソラシド」を表しているのですが、すぐに分かった方はおそらくあまりいないはずです。

音声はこちら↓

 

そこで役に立つのが下のようなTAB譜です。

TAB譜の例

このように五線譜とセットになっていて、下段に新しい項目が増えているのが分かると思います。

TAB譜には、どこのフレットをどのタイミングで押さえるかが書いてあります。

つまり、そのとおりに押さえれば、それが何の音なのか意識しなくても、曲が弾けてしまうというわけです。

これなら五線譜が読める必要は全くありません。さらに、とても直感的な表記なので、たった今ギターを初めて手にした方でもすぐに読めるようになります。

市販のバンドスコアや、ネット上で見つかる楽譜はたいていTAB譜として書かれています。

TAB譜の読み方

ここからは、TAB譜の読み方について詳しく見ていきます。

TAB譜の読み方についてのルールは、次の4つです。

  • 左から右へ時間が進む
  • 横線はギターの弦を表す
  • 数字はフレット
  • リズムは五線譜の音符を見る

楽曲が時間的に左から右へ進んでいくのは、TAB譜でも五線譜でも全く同じです。これは直感的に理解できると思います。

TAB譜の横軸が時間を表す

 

第二に、TAB譜の6本の横線はギターの弦を表しています。一番下が6弦で、1番上が1弦です。

TAB譜の横線が弦を表す

 

第3に、横線上の数字は押さえるフレットを表しています。

TAB譜の数字はフレットを表す

 

第4に、リズムに関しては上段の五線譜から読み取ります。

下段の数字だけでは、音は分かってもリズムは分かりません。

ここで音符の長さの読み方を多少覚える必要が出てきます。

TAB譜の例1

ルールをざっと説明したところで、具体的に例を見ていきましょう。

単音の例

まずは一番簡単な例から。

TAB譜 単音の例

 

このTAB譜では、6弦5フレットだけを押さえて弾いています。

何が起きているかというと、A(ラ)の音が1小節分伸びています。

コード(和音)の例

ではこちらはどうでしょうか。

コードの例

 

縦に複数の数字が並んでいます。

横が時間を表しているので、これは同時にいくつかの音が鳴っていると見なせます。

同時に複数の音が鳴る。つまりこれはコード(和音、わおん)です。

例えば、上のTAB譜はローコード「Cメジャー」を表しています。

数字の0はフレットを押さえない状態、つまり開放弦です。

オクターブの例

下の例もコードと同じように考えられます。

オクターブの例

 

同時に2つの音が鳴っていますが、どちらもG(ソ)の音です。

つまり、これはオクターブ奏法を表しています。

ギター特有の奏法

ギターには、ギター特有の奏法がいくつもあるため、数字だけではそれらを表すことが出来ません。

そこでTAB譜には、ギター特有の奏法を表す方法が用意されています。

ここではその中から5つ紹介します。

パームミュート

パームミュートの例

パームミュート(ブリッジミュート)はピックを持つ手刀で弦に触れることで音を抑えるギター特有の奏法です。

TAB譜では「P.M」で表されます。

ミュートは「M」と表記されることもあれば、省略されていることもあります。

ビブラート

ビブラートの例

音程を上下に振動させるビブラートは、五線譜上の「波線(~~~)」で表されます。

チョーキング

チョーキングの例

弦を持ち上げて音程を上げるチョーキングは「上向きの矢じるし」で表されます。

チョーキングには半音、全音、1音半などの種類があり、タイミングでもいくつかの表記があります。

しかしここでは単純に、上向きの矢印がチョーキング、とだけ覚えておいてください。

スライド

スライドの例

スライドは、既に音が鳴っている状態で指をスライドさせ、別な音を鳴らす奏法です。

TAB譜では「斜め線」や、「S」で表されます。

ブラッシング、ミュート

ブラッシング・ミュートの例

ブラッシングは、弦に軽く触れながらピッキングすることで、きちんと音を出さない奏法です。

また、コードを押さえるときに不要な弦で音を出さないことを「ミュートする」と言います。

これらはTAB譜では「✕(ばつ印)」と表されます。

おわりに

以上、TAB譜とは何か、どうやって読むかについて解説しました。

TAB譜は五線譜に比べて直感的ですし、ギター特有の奏法も表現できます。

読み方のルールをざっと覚えてしまえば、初心者の方でもTAB譜を見ながらすぐに曲の練習ができます。

ネット上では「Guitar Proファイル」という形で、無料でTAB譜が見つかるので、ぜひ探してみてください。

探し方と開き方は下記の記事で解説しています。

tux guitar TABの読み込み 【ネットでTAB譜を探す方法】Guitar Proファイルが便利。開き方も解説。 ギター初心者の練習にはアジカンがおすすめ。具体的な練習曲も紹介。